1.はじめに

みなさまこんにちは。税理士法人YFPクレアの中村です。
前回に続きまして消費税についてお話させていただきたいと存じます。

2.消費税の対象となる取引

前回予告しました通り消費税の対象となる取引についてお話させていただきます。
消費税の対象となる取引とは下記の4要件を全て満たす取引をいいます。

  • 国内において行う
  • 事業者が事業として行う
  • 対価を得て行う
  • 資産の譲渡及び貸付並びに役務の提供

では、一つずつ解説していきます。

(ア)国内において行う
 これは日本国内において消費等されるものについて消費税を課税するという性質から、日本国外での取引であった場合には課税しないということになります。日本国内の出版社から受け取る印税等の先生方の売上についてはもちろん国内取引に該当します。

(イ)事業者が事業として行う
 先生方は個人事業主又は法人として「事業者」に該当することとなります。次に、法人が行う活動については全て「事業として」に該当し、個人事業主であれば【(ウ)対価を得て行う】取引を反復継続し、かつ独立して行うものについては「事業として」に該当することとなります。個人が事業とは関係のないような生活動産、趣味で集めているようなものを売却したというような場合には事業者が事業として行う取引に該当しないため消費税の課税の対象とはなりません。

(ウ)対価を得て行う
 「対価を得て行う」とは、反対給付としての対価を受け取る取引のことをいいます。印税や原稿料などについては先生方の著作物を出版社が使用することに対して使用料として反対給付を金銭で受け取っていることになり「対価を得て行う」取引に該当することとなります。
 この「対価を得て行う」取引に該当しない例として寄付金がございます。寄付により金銭等の支出があった場合において、その寄付を受け取った者からは何ら対価を受け取ることはありませんので「対価を得て行う」取引には該当せずに消費税は課税されないこととなります。

(エ)資産の譲渡及び貸付並びに役務の提供
 資産の譲渡及び貸付(以下「資産の譲渡等」)とはその名の通りある資産を譲渡(販売等)したり貸付を行う取引を言います。製本された書籍を直接販売する行為やレンタルする行為などが該当します。役務の提供とは一般にサービスの提供をいい、印税や原稿料などの著作物の利用に関するものはこちらに該当することとなります。ただし著作権そのものを譲渡するといった場合には資産の譲渡等に該当することとなります。

さて、具体例を交えながら消費税の課税取引となる4要件を解説してきましたが、先生方の売上については基本的に上記4要件全て該当することになりますので消費税の課税対象の取引ということになります。
※電子書籍を海外でダウンロード販売するなど国内取引に該当しない例もあります。
 詳しくは「電気通信利用役務の提供」に係る内外判定基準をお調べいただくか、YFPクレアにご相談ください。

3.まとめ

消費税の対象となる取引とは下記4要件を全て満たす取引である。

  • 国内において行う
  • 事業者が事業として行う
  • 対価を得て行う
  • 資産の譲渡及び貸付並びに役務の提供

4.おわりに

今回トピックは少ないですが、消費税の課税判定において一番大事な4要件について解説させていただきました。
次回はこの4要件を満たす取引の中でも非課税となる取引についてお話したいと思います。

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投稿者・投稿者チーム紹介

四谷監査2部2課 漫画・芸能チーム
四谷監査2部2課 漫画・芸能チーム
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それぞれ特有の税務の勉強もしています。

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