(固定資産税の非課税の範囲)
第三百四十八条 市町村は、国並びに都道府県、市町村、特別区、これらの組合、財産区及び合併特例区に対しては、固定資産税を課することができない。
2 固定資産税は、次に掲げる固定資産に対しては課することができない。ただし、固定資産を有料で借り受けた者がこれを次に掲げる固定資産として使用する場合には、当該固定資産の所有者に課することができる。
十の三 社会福祉法人その他政令で定める者が児童福祉法第七条第一項に規定する児童福祉施設の用に供する固定資産で政令で定めるもの(次号に該当するものを除く。)
地方税法348条の第2項第10号3項
上記のように地方税法348条の第2項第10号3項に固定資産税の非課税範囲が定められています。
しかし、これだけでは一体何に対して非課税なのか分かりずらいと思います。これを読み解いていきたいと思います
- 社会福祉法人その他政令で定める者とは
社会福祉法人はその名の通りであります。それでは政令で定める者とはどれに該当するかを見ていきます- 地方税法施行令49条の12第1項に定められています。
法第三百四十八条第二項第十号の三に規定する政令で定める者は、次に掲げる者とする。
一 公益社団法人、公益財団法人、農業協同組合、農業協同組合連合会、消費生活協同組合、消費生活協同組合連合会及び医療法人
二 学校法人
三 前二号に掲げる者以外の者で児童福祉法第三十五条第四項の規定による認可を得たもの
上記の地方税法施行令第49条の第1項1号及び2号に記載されている法人はその名の通りです。
児童福祉法第35条第4項の規定による認可を得たものとは次に掲げる者をいいます
- 児童福祉法第35条第4項
国は、政令の定めるところにより、児童福祉施設(助産施設、母子生活支援施設、保育所及び幼保連携型認定こども園を除く。)を設置するものとする。
④ 国、都道府県及び市町村以外の者は、厚生労働省令の定めるところにより、都道府県知事の認可を得て、児童福祉施設を設置することができる。
ここでは、都道府県知事の認可を得て、児童福祉施設を設置すれば良いとあるため法人自体は限定されておりません。
さらに児童福祉施設とはどのような施設を言うのかは、地方税法348条の第2項第10号3の条文にあります児童福祉法第7条第1項に規定されています。
- 地方税法施行令49条の12第1項に定められています。
- 児童福祉法第7条第1項
この法律で、児童福祉施設とは、助産施設、乳児院、母子生活支援施設、保育所、幼保連携型認定こども園、児童厚生施設、児童養護施設、障害児入所施設、児童発達支援センター、児童心理治療施設、児童自立支援施設及び児童家庭支援センターとする。 - 固定資産で政令で定める者とは
地方税法施行令49条の12第2項に定められています。
法第三百四十八条第二項第十号の三に規定する政令で定める固定資産は、次に掲げる固定資産(こどもの国協会の解散及び事業の承継に関する法律(昭和五十五年法律第九十一号)第一条第三項に規定する指定法人が経営する児童福祉法第四十条に規定する児童厚生施設の用に供する固定資産にあつては、事務所その他の管理施設、宿舎及び駐車施設の用に供する固定資産を除く。)とする。
一 社会福祉法人又は前項第一号に掲げる者が経営する児童福祉法第三十七条に規定する乳児院、同法第三十八条に規定する母子生活支援施設、同法第四十条に規定する児童厚生施設、同法第四十一条に規定する児童養護施設、同法第四十三条の二に規定する児童心理治療施設又は同法第四十四条に規定する児童自立支援施設の用に供する固定資産
二 社会福祉法人又は前項第一号若しくは第二号に掲げる者が経営する児童福祉法第四十二条に規定する障害児入所施設又は同法第四十三条に規定する児童発達支援センターの用に供する固定資産
三 社会福祉法人又は前項各号に掲げる者が経営する児童福祉法第三十六条に規定する助産施設で総務省令で定めるもの、同法第三十九条に規定する保育所又は同法第四十四条の二第一項に規定する児童家庭支援センターの用に供する固定資産
以上のことから社会福祉法人は児童福祉法第7条1項に規定されている児童福祉施設に係る固定資産税は非課税ということになります。
また、上記の条文は社会福祉法人以外の固定資産税の非課税についても規定されています。弊社ではこの条文を使って社会福祉法人以外の法人で固定資産税を非課税にした事例があります。ご興味がある方は弊社に問い合わせいただければと存じます。
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