みなさまこんにちは。税理士法人YFPクレアの村上です。
このコラムでは医療法人についてご説明していきたいと思います。
皆様の今後の経営について、少しでもお役に立てれば幸いです。

前回、【持分のある医療法人】の問題点、【持分のない医療法人】への移行についてお話させていただきました。
今回は移行後に発生します、問題点についてお話しさせていただきます。

【持分のない医療法人】への移行手続きは定款変更がメインとお話させていただきました。
「これで【持分のある医療法人】の問題点(※第4回目のコラムに記載)を回避できる‼‼」と思われますが、そうはいきません…。

移行手続きをしますと発生してくるのが、医療法人に課税される贈与税です。
贈与税は通常、個人に課税される税金であり、法人には課税されません。
しかし、移行した場合には医療法人に贈与税が課されることとなります。

例).【持分のある医療法人】を、A先生とB先生で500万ずつ出資して設立

A先生  持分 500万
B先生  持分 500万    

医療法人は1,000万の持分=財産があります。

数年後、A先生は「海外で生活したい‼‼‼」とドクターを引退。
「医療法人に出資した500万は返さなくていいよ‼‼」と言い残し、医療法人を辞め、海外へ移住してしまいました。(←持分の放棄といいます。)

この場合、B先生がもっている持分の価値は、1,000万となります。
持分が放棄されたことによって持分の価値は、1,000万に上昇し、上昇分の500万円分が贈与税の対象となるのです。

贈与税の対象と聞いて、出資者が全員持分を放棄し【持分のない医療法人】に移行しようとする場合、課税対象がいなくなってしまいます。
そこで、税金を回避されないために、本来は個人にしか課税されない贈与税を医療法人に対して課税しているわけです。
贈与税の対象となるとなかなか移行手続きが進まなくなるという現状も起きています。

次回は【持分のない医療法人】に移行するにあたっての贈与税の免税特例についてお話させていただきます。
税理士法人YFPクレアには法人個人問わず、医業に特化した担当者が多く在籍しておりますので、気になることがありましたらお問い合わせいただけましたら幸いです。

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四谷監査2部1課
四谷監査2部1課医療・社会福祉系チーム
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