1.はじめに

みなさまこんにちは。税理士法人YFPクレアの中村です。
確定申告期間も一段落しましたので、コラム執筆も再開させていただきます。
今回は消費税の非課税取引についてお話しさせていただきます。

2.消費税の非課税取引とは

前回の「消費税②」のコラムにおいて消費税の課税対象となる取引についての下記の4要件についてお話ししました。

  • 国内において行う
  • 事業者が事業として行う
  • 対価を得て行う
  • 資産の譲渡及び貸付並びに役務の提供

しかしながら上記4要件を満たすような取引であっても「消費」に対して課税するという税の性格から課税の対象としてなじまないもの、また社会政策的配慮から課税しないこととしている非課税取引が定められています。

3.主な非課税取引

  • 土地の譲渡及び貸付け
  • 有価証券等の譲渡
  • 支払手段の譲渡
  • 日本郵便株式会社などがおこなう郵便切手類の譲渡、印紙の売渡し場所における印紙の譲渡
    および地方公共団体などが行う証紙の譲渡
  • 国等が行う一定の事務に係る役務の提供
  • 外国為替業務に係る役務の提供
  • 社会保険医療の給付等
  • 介護保険サービスの提供等
  • 社会福祉事業等によるサービスの提供等
  • 助産
  • 火葬料や埋葬料を対価とする役務の提供
  • 一定の身体障碍者物品の譲渡や貸付け等
  • 学校教育
  • 教科用図書の譲渡
  • 住宅の貸付

4.漫画家のみなさまに関わりのありそうなもの

 3.で挙げた非課税取引のうち、特に漫画家のみなさまに関わりのありそうなものについて少し解説してみます。

  • 預貯金の利子および保険料を対価とする役務の影響等
    銀行等に預けている預貯金に対する利子や貸付金に係る利息は非課税となります。
    また保険料、保険料に類する共済掛金についても非課税となります。
  • 日本郵便株式会社などがおこなう郵便切手類の譲渡等
    実は郵便局で購入する切手については購入した時点では非課税となります。
    ただし購入した切手を使用して郵送等を行うと消費税の課税取引として認識されます。
    また、切手類が非課税となるのは郵便局などの本来の販売所のみであり、金券ショップで購入した場合には課税取引となるなど少しややこしい取引ですね。
  • 住宅の貸付
    これが一番身近に感じるかもしれません。通常物品等の貸付料などには消費税は課税されますが、住宅の貸付については非課税として規定されています。
    通常生活の様に供する住宅の貸付に限られますから、事務所や店舗としての貸付される場合には消費税は課税されます。

5.まとめ

消費税の対象となる4要件を全て満たす取引のうち限定的に非課税となるような取引が規定されています。
預貯金等の利子、郵便切手類の譲渡等、住宅の貸付などが該当します。

6.おわりに

今回は非課税となる取引についてお話をさせていただきました。
次回の消費税の計算について影響のある内容となっておりますので是非続けてご覧いただければ幸いです。
次回もどうぞよろしくお願いいたします。

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投稿者・投稿者チーム紹介

四谷監査2部2課 漫画・芸能チーム
四谷監査2部2課 漫画・芸能チーム
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それぞれ特有の税務の勉強もしています。

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