あ行
遺産分割(いさんぶんかつ)
遺産分割とは、遺産を各相続人に具体的に配分する手続きをいいます。
被相続人の死後、相続財産はいったん相続人全員の共有財産になります。それを遺産分割手続によって各相続人で分けることとなります。
遺産分割協議書(いさんぶんかつきょうぎしょ)
遺産分割協議書とは遺産の分割方法を相続人全員で協議して定め、書面を作成するものです。作成した書面に相続人全員が、署名し、実印を押印します。
遺言により「相続については相続人間で遺産分割協議をして決めること。」と記載されている場合や、遺言が初めから存在しない場合で、法で定められた相続割合とは異なる割合で相続する場合等に作成するものです。例えば、土地や建物の所有権移転登記を行う場合、自動車の名義変更をする場合などは、この書類を添付しなければ登記(名義変更)できません。
遺贈(いぞう)
遺言によって自分の財産の一部又は全部を他人に与えること。ただし、遺贈は遺留分を侵害することはできません。
遺留分(いりゅうぶん)
遺留分とは、兄弟姉妹以外の相続人(妻、子ども、両親など)のために、遺産について留保された一定の割合のことをいいます。死者の財産に依存して生活している相続人の生活を保障するために創設されました。兄弟姉妹以外の相続人は、遺言の内容に関わらず一定割合の相続をすることができ、これを侵害するような遺贈や贈与が行われたときは「遺留分減殺請求」をすることにより、遺贈や贈与の効力を失わせることができます。遺留分権利者全員の総体的遺留分の割合は、直系尊属のみが相続人の場合は、被相続人の財産の3分の1であり、その他の場合は、相続財産の2分の1です。遺留分権利者が複数名いる場合の個別的遺留分の割合は、上記に、法定相続分の割合を乗じて算出することができます。
遺留分減殺請求(いりゅうぶんげんさいせいきゅう)
遺留分減殺請求とは、遺留分を侵害された相続人が、その部分に関しては遺言書の内容が無効であると異議申し立てをすることです。
相続人の遺留分減殺請求の手続は、相手方に内容証明郵便等で遺留分侵害に対する異議申し立てをすることになります。遺留分減殺請求の消滅時効は、遺留分侵害の事実を知った時から1年です。事実を知らなくても、10年で消滅時効となります。遺留分減殺請求がなければ、遺留分侵害の遺言も無効とはなりません。
遺言者としては、遺留分減殺請求などのトラブルが発生しないよう、遺言時には遺留分侵害について注意をしなくてはなりません。
遺留分放棄(いりゅうぶんほうき)
遺留分を有する相続人は、相続開始前に家庭裁判所の許可を得て、遺留分を放棄することができます。
遺留分の放棄は、実質的に相続の一部放棄にあたり、家庭裁判所の許可を得るには、次のような要件を満たす必要があります。
1)本人の自由意思によること
2)放棄理由に合理性と必要性があること
3)代償(放棄と引き換えの現金など)があること
姻族(いんぞく)
配偶者の一方と他方の血族との関係を姻族関係という(嫁と姑、義理の兄弟姉妹など)。三親等内の姻族は親族とされています。
延納(えんのう)
相続税は、原則として相続の開始から10ヶ月以内に現金による一括払いが原則です。
しかし、一括で支払うことができない場合に税務署長の許可を受ければ延納をすることが認められます。
延納が認められるには、次の要件全てを充たすことが必要です。
①納付すべき税額が10万円を超えること
②納付期限までに、または納付すべき日までに、金銭で一時に納付することを困難とする事由があること
③必要額を満たす担保を提供すること
④納期限又は納付すべき日までに、必要書類を添付して所轄税務署長に延納申請書を提出すること

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か行
改製原戸籍(かいせいげんこせき)
略して「はらこせき」とも呼ばれます。法律の改正による編製単位・記載内容の変化、または電算化によって新しく戸籍を作り直したときの、元の戸籍。
昭和の改製原戸籍(戸主制度の廃止)と平成の改製原戸籍(戸籍の電算化)とがあります。
換価分割(かんかぶんかつ)

相続財産を換金し、相続人に金銭で分割する方法で、遺産分割の方法の一つで、価格分割ともいいます。遺産分割の方法として、他に現物分割、代償分割があります。

基礎控除(きそこうじょ)
基礎控除額は、3千万円+6百万円×法定相続人の数となります。例えば、法定相続人が5人の場合には、6千万円が来控除額となり、それを越える部分が課税対象(課税遺産総額)となります。つまり、基礎控除以下の遺産については、税金がかからないことになります。
居住用財産の3000万円控除の特例(きょじゅうようざいさんのさんぜんまんえんとくべつこうじょのとくれい)

居住用財産の3000万円控除とは、居住用財産の売却益が生じた場合、所有期間の長短にかかわらず、その売却益から3000万円を控除するというものです。ただし、売却益が3000万円未満の時はその売却益金額が限度となります。
さらに、売却年の1月1日における所有期間が10年を超える居住用財産について売却益が生じた時は、その売却益のうち6000万円以下の部分は税率が14%(所得税10%、住民税4%)に軽減されます。この居住用財産の軽減税率は、3000万円特別控除と併用適用できます。

寄与分(きよぶん)
寄与分とは、被相続人の財産の維持や増加に特別な寄与(貢献)をした相続人に対して、法定相続分とは別に、相続人の遺産の中から、その貢献に応じた財産を取得させるものです。
居住無制限納税義務者(きょじゅうむせいげんのうぜいぎむしゃ)
相続又は遺贈により財産を取得した一定の個人で財産取得時に日本に住所を有する方です。
血族(けつぞく)
血のつながっている人(自然血族=親子、兄弟など)及び血がつながっていると同視される人(法定血族=養子など)。一般的にいう「血縁者」のことを言います。
限定承認(げんていしょうにん)
限定承認とは、相続によってのみ、被相続人の債務及び遺贈を弁済するという留保を付けた相続の承認のことをいいます。つまり限定承認をすれば、相続した財産だけでその債務を完済できない場合でも、相続人自身の財産でその不足分を支払う必要はなくなるのです。
検認(けんにん)

検認とは遺言書の内容を明確にするとともに、この存在を相続人に知らせること、偽造などを防止することを目的とした裁判所による手続きを言います。遺言の保管者は相続の開始を知ったとき、直ちに被相続人が最後に居住していたところを管轄する家庭裁判所に申し立てをして、検認を受けなければなりません。

なお、遺言が公正証書であれば検認の必要はありません。

公証人(こうしょうにん)
公証人とは原則として元判事等の経験豊富な法務実務家で国の公務である公証事務を担う公務員を言います。公証事務は大きく①公正証書の作成、②私署証書(私文書)に対する認証の付与、③私署証書にする確定日付の付与の3種類を言います。
広大地(こうだいち)

広大地とは、その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な宅地で、都市計画法に規定する開発行為を行うとした場合に、道路や公園等の公共公益的施設用地の負担が必要と認められる宅地のことを言います。

 平成29年12月31日以前の相続の場合に適用され、平成30年1月1日以後については、規模格差補正率に代わります。

広大地の価額=正面路線価×広大地補正率(※)×地積
広大地補正率計算例 (0.35を下限とします)
地積 補正率
1000㎡ 0.55
2000㎡ 0.50
3000㎡ 0.45
4000㎡ 0.40
5000㎡ 0.35
公正証書遺言(こうせいしょうしょゆいごん)

公正証書遺言とは、公証役場で公証人に作成してもらう遺言書のことです。公正証書遺言書は、字が書けない方でも作成することができ、公証人という法律の専門家が作成するため、内容に不備がなく、原本を公証人役場で保管するため、偽造や変造の恐れがありません。

一方で公正証書遺言書の作成には2名以上の承認が必要となりますので、遺言の存在とその内容を完全に秘密にすることはできません。また、作成のため手間と費用がかかります。

戸主(こしゅ)
戸主とは、旧民法による「家制度」のもと、家の統率者としての身分をもつ者であり、家族に対しての扶養義務を負うほか、家族に対する私法上の一定の権限と義務(戸主権)を有していました。この戸主の地位と財産は、家督相続という制度により承継されていました。
戸籍(こせき)

日本国民の戸籍と家族的身分関係を明確にするため、夫婦とその未婚の子を単位として、氏名・生年月日・続柄などを記載した公文書を言います。本籍地の市区町村に置かれます。

戸籍謄本(こせきとうほん)
1つの戸籍の全部(全員の事項)の写しを言います。戸籍が電算化されている市区町村では「戸籍全部事項証明」と言います。
戸籍抄本(こせきしょうほん)
1つの戸籍の一部を写しとったもの。戸籍が電算化されている市区町村では「戸籍個人事項証明」といいます。
戸籍の附票(こせきのふひょう)
本籍地の市区町村において戸籍の原本と一緒に保管している書類で、その戸籍が編製されてから(またその戸籍に入籍してから)現在に至るまで(またその戸籍から除籍されるまで)の在籍者の住所の変遷が記録されています。
固定資産税の小規模住宅用地の特例(こていしさんぜいのしょうきぼじゅうたくようちのとくれい)

土地に対する固定資産税が課税される年の1月1日(賦課期日)において、一定の住宅やアパート等の敷地として利用されている土地(住宅用地)については、課税標準の特例措置があり、税額が軽減されています。

下記区分に応じて課税標準額を算出します。
・小規模住宅用地(住宅やアパート等の敷地で200㎡までの部分)
 固定資産税:価格×1/6

・一般住宅用地(小規模住宅用地以外の住宅用地)
固定資産税:価格×1/3

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さ行
財産評価基本通達(ざいさんひょうかきほんつうたつ)
相続税や贈与税では、モノの価値を決める場合、財産評価基本通達という評価基準で決めます。この評価基準で決めたモノの値段を相続税評価額といいます。
死因贈与(しいんぞうよ)
贈与者の死亡のときに効力を発生させるものと定めて、生前にあらかじめ契約しておく贈与のこと。相続税では基本的に遺贈と同様に取り扱われます。
失踪宣告(しっそうせんこく)
失踪宣告とは生死不明の者に対して法律上死亡したものとみなす効果を生じさせる制度のことです。失踪には普通失踪と危難失踪の二通りあります。
指定相続分(していそうぞくぶん)
遺言により、法定相続分と異なる相続分を指定することができます。これを指定相続分といい、法定相続分に優先します。
自筆証書遺言(じひつしょうしょゆいごん)
自筆証書遺言とは、全文を自分で書く遺言書のことです。簡単で費用もかかりませんが、すべて自筆でなければならないので、代筆やワープロによるものは無効となります。
また、日付の記入がないものや「平成○年△月吉日」のように、日付の特定ができない場合も無効となります。用紙の種類や大きさ、筆記具などは自由ですが、署名と押印は必ず必要になります。
死亡退職金の非課税枠(しぼうたいしょくきんのひかぜいわく)
故人の勤務先や勤務先が加入していた企業年金などから支給された死亡退職金には非課税枠があります。非課税枠は次のように計算されます。
500万円×法定相続人の数
非課税枠の適用があるのは、相続人のみとなります。
受遺者(じゅいしゃ)
遺言による遺贈を受ける者。
取得費加算(しゅとくひかさん)
相続人が、相続税の納付のために、相続によって取得した土地を売却したとします。この場合、その売却益に対して譲渡税(所得税・住民税)がかかってきます。
・土地の売却益=売却代金-(取得費+譲渡費用)
・譲渡税=土地の売却益×20%…(所得税15%、住民税5%)(長期譲渡の場合)
このように、税金を払うために手放した土地の売却益の2割に相当する譲渡税を支払わなければならないことになります。そこで、国は「取得費加算」の特例を設けて譲渡税を減らせるようにしました。この特例は、文字通り自分が支払った税金を取得費に加えて売却益を減らすというものです。
・土地の売却益=売却代金-(取得費+取得費加算額+譲渡費用)
多額の相続税のある人は、売却益がなくなり譲渡税がゼロとなることもあります。ただし、この特例は、申告書提出期限(相続が開始した日から10ヵ月後)から3年以内に譲渡した資産が対象となっています。
準確定申告(じゅんかくていしんこく)
準確定申告とは、確定申告すべき人が年の途中で亡くなった場合、その年1月1日から亡くなった日までの所得の申告で、相続人は、相続があったことを知った日から4か月以内に被相続人の所得税の確定申告をしなければならないというものです。
小規模宅地の特例(しょうきぼたくちのとくれい)
小規模宅地の特例とは相続や遺贈によって取得した財産のうちに、被相続人など(被相続人または被相続人と生計を同じくしていた親族)の自宅の敷地や事業用の敷地、賃貸用の土地等がある場合、ケースに応じて240㎡まで80%、400㎡まで80%、または200㎡まで50%の減額ができるという特例です。
除籍(じょせき)
1,死亡、婚姻、離婚、転籍などで戸籍に在籍しているすべての人が除かれた戸籍のこと。
2,ある人が在籍していた戸籍から除かれて抜けること。
親族(しんぞく)
六親等内の血族、配偶者、三親等内の姻族。
制限納税義務者(せいげんのうぜいぎむしゃ)
相続又は遺贈により日本にある財産を取得した個人でその財産を取得した時に日本に住所を有しないもの 。
成年後見制度(せいねんこうけんせいど)
禁治産準禁治産の制度にかわり、高齢化社会の対応として、痴呆症等により判断能力が欠けたり不十分である成年者を保護し支援するため、従来のものより利用しやすい制度として平成12年4月から施行されました。
税務調査(ぜいむちょうさ)
税務調査とは、納税者が申告した内容が正しいか、申告漏れなどがないかをチェックするために行われるものです。日本の納税制度は自己申告が原則となっており、自分が納める税金について、税法に基づいて自分で財産額と税額を計算し申告することが義務付けられています。しかし、すべての納税者が正確な申告を行っているとは限りません。そこで、申告納税制度の公正な適用を維持する上で、納税者が申告した内容が正しいかどうかを確認することが必要となります。そのために行われるのが税務調査なのです。
相続税の申告書を提出すると、半年から2年以内に税務調査が行われるケースが多いようです。毎年、申告書の提出は4万5000件ほどありますが、このうち1万3000件程度に税務調査が入ります。つまり、約30%の調査割合ということになります。これは法人税4%、所得税1%の実地調査率とは大違いです。申告をした方は、その後、高確率で税務調査が入ると言うことを頭にいれておくべきでしょう。
その内容は、所得税や法人税の調査と違って「取りあえず確認のために調査を行う」というレベルではありません。その証拠に税務調査が行われた場合は、約9割の確率で申告漏れが発見されています。具体的には子どもや孫の名前だけを借りた「名義預金」といわれる預金の計上漏れが多くなっています。事前の銀行調査や郵便局調査により遺産の申告漏れを発見してから税務調査に来るため、高確率での修正申告につながるのです。
生命保険の非課税(せいめいほけんのひかぜい)
故人が自分にかけていた生命保険金を遺族が受け取った場合のその保険金には非課税枠があります。非課税枠は次のように計算されます。
500万円×法定相続人の数
ただし、生命保険金を複数の人が受け取ったときは、上記金額を各人の受取保険金額の割合で、按分します。
また、非課税枠の適用があるのは相続人のみです。
税制改正により、法定相続人の数を「同居する法定相続人」に変更しようという減税案が提案されています(24年度改正では見送られました)。
相次相続控除(そうじそうぞくこうじょ)
被相続人がその死亡前10年以内に相続により財産を取得し、相続税を負担していた場合、その相続(第2次相続)に係る被相続人から相続により財産を取得した者について、算出した税額から控除できるもの。
相続時精算課税制度(そうぞくじせいさんかぜい)
相続時精算課税制度とは、60歳以上の親から20歳以上の子に対する生前の贈与に対して2,500万円の贈与税の非課税枠が与えられ、2,500万円を超える贈与については一律で20%の贈与税が課され、その後相続時にそれまでの贈与財産と相続財産を合算して計算した税額から、すでに支払った贈与税額を差し引いた額の税額を納めるという制度です。
2,500万円まで贈与税がかからない制度だと勘違いする方も多いので、ご注意ください。贈与された財産は、結局相続税という形で税金をかけられることとなります。
相続放棄(そうぞくほうき)
もし相続財産が借金ばかりで負債が多い時は、全てを相続しても負担になるばかりです。そのようなときは、相続放棄をすることができます。相続放棄は相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内に、家庭裁判所に申述する必要があります。相続放棄をすることによって全ての相続財産を承継することができなくなりますので、慎重な検討が必要です。
贈与税(ぞうよぜい)
贈与税は、個人から贈与により財産を取得した者にかかる税金です。これは相続前に贈与することにより相続税を回避することを防止し、また相続前に贈与を行わなかった場合との公平を保つことを目的とするものです。
上記のような趣旨から、贈与税は相続税と比較して、税率もその累進度合が高く定められているとともに、原則相続開始前3年以内の贈与財産の相続税課税価格への算入規定が設けられています。
相続税の還付(そうぞくぜいのかんぷ)
既に申告した後でも、所定の手続きをすれば税金を正してもらうことが出来ます。
申告期限(死亡日から10ヶ月後)から1年以内であれば、相続税法に定める「更正の請求」が出来ます。
1年を超えている場合は、国税通則法の ”申告期限から5年間は税金正すことができる” という条文により「嘆願請求」という手続きによって減額・還付が可能です。
平成24年度改正により、公正の請求の期間は5年間に延長されました。
底地(そこち)
底地とは、借地権をはじめ所有権以外の権利がついた土地のこと。土地本来の所有権の上に地上権が設定されているので、地上権の底にある土地という意味で底地といわれています。底地の評価方法としては、更地価格にある割合を掛けて求める方法や、地代から年間の総収益を計算し、そこから必要経費を除いた純収益を資本還元して求める収益価格があります。底地の価格は、更地の時価から借地権価格を引いた金額となり、底地に見合う価格は底地価格といわれます。更地価格に対する底地価格の割合を底地割合といいます。

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た行
代襲相続(だいしゅうそうぞく)
本来は相続人であったはずの子どもが、相続開始以前に死亡していたり、または、相続欠格や廃除などで相続権を失っていたときは、その子どもの子どもである孫以下の直系卑属が相続人になります。
代償分割(だいしょうぶんかつ)
事業用資産や農地、代々承継している土地など、遺産の大部分を事業後継者など特定の人間に受け継がせることが必要な家では、遺産が細分化されては困ります。そのような場合には、代償分割という分割方法をとります。この代償分割とは、ほかの相続人より遺産を多く取得した人が、自分が所有する財産や金銭などを、他の相続人に与えることで相続分を調整する方法です。
地積規模の大きな宅地(ちせききぼのおおきなたくち)
地積規模の大きな宅地とは、三大都市圏において500㎡以上の地積の宅地、三大都市圏以外の地域においては1,000㎡以上の宅地のうち一定のものをいいます。
嫡出子(ちゃくしゅつし)
法律上の婚姻関係にある男女間で生まれた子のことです。 そうでない子のことを非嫡出子といいます。
特別縁故者(とくべつえんこしゃ)
相続人不在で相続財産がある場合は、これらの人々にも家庭裁判所が相続財産を分与できることになっています。その対象となる人を特別縁故者といいます。内縁配偶者や事実上の養子が該当します。
特別受益(とくべつじゅえき)
相続人が被相続人から、生前特別な財産をもらっていることを特別受益と言います。
特別受益を受けている人がいる場合は、被相続人が死亡した時に残っている財産に相続人が特別に受けた財産を加算したものが相続財産となります。そして、その総額で相続人の取り分を計算することになるのですが、特別受益を受けた人はその取り分からすでにもらっている分を除いて相続をすることになります。
つまり、生前に被相続人から多額の財産をもらっていた場合は相続分を前渡ししているとみなされるのです。民法で特別受益と認められているのは、次の2つのケースです。
①婚姻、または養子縁組のために受けた贈与
具体的には、婚姻や養子縁組の際に、持参金をもらっていたような場合や、結納金、新居や家財道具を買うための費用、新婚旅行のための費用を出してもらっていたような場合は、特別受益にあたると考えられています。
②生計資金として受けた贈与
具体的には、住宅を買うときに一部資金を出してもらったような場合や、高等教育の学費を出してもらっていたような場合、または事業を起こす際に開業資金を出してもらっていたような場合が挙げられます。
特別代理人(とくべつだいりにん)
たとえば、相続人の中に親権者と未成年の子がいて遺産分割する場合、親権者と子の利益が相反するので、未成年の子のために特別代理人の選任を家庭裁判所に請求しなければなりません。
特別養子(とくべつようし)
「特別養子縁組」とは、普通の養子縁組に加えて、養子の実の父母・親族との親子・親族関係が消滅する効果があるものです。実の親が子を養育できないときや、実の親が養育することはかえって子どものために害を及ぼす場合に利用され、実の親との相続や扶養については全く無関係に扱われます。戸籍上も第三者は実の親を知ることが出来ないようになっています。特別養子が認められるためには、通常の養子縁組より手続きが厳しくなっています。
●養親が夫婦共同で縁組みを行い(夫婦の一方の嫡出子を養子とする場合は別です。)、夫婦の一方は20歳以上、もう一方は25歳以上である必要があります。
●養子は原則として6歳未満、例外的に6歳になる前から養親となる夫婦に引き続き監護され、かつ8歳未満である必要があります。
●また、原則として養子になろうとする子の父母の同意がなければなりませんが、父母による虐待や父母が子を全く育てようとしないときなどは同意は不要です。
●そして、養子となる子の父母が育てることが非常に難しい、あるいは不適当であるなど、特別の事情があり、かつ子の利益のために特に必要があると認められなければなりません。
●さらに、養親になろうとする夫婦が養子になる子を6ヶ月以上監護(子育て)した状況を考慮して認められることになります。
以上の判断は家庭裁判所で行われます。

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な行
認知(にんち)
法律上の婚姻関係にない相手との子に対して親子関係を認めることです。胎児に対しても行うことができます。
認定死亡(にんていしぼう)
飛行機事故や地震や水害などにより、死んだのは確実であるが、遺体が出てこないという場合に、その取調べを行った警察署などの官公署が死亡地の市区町村に死亡の報告をし、戸籍上死亡という記載がなされます。これを認定死亡といいます。
農地の納税猶予(のうちののうぜいゆうよ)
農地の納税猶予とは、農業相続人が農地を相続によって取得し農業を継続する場合には、一定の条件の下に、その農地に係る相続税額のうち、農業投資価格を課税価格とみなして計算した税額を超える部分について納税が猶予されます。その後、次の(1)~(3)のいずれかに該当した日に納税が免除されます。
(1)農業相続人が死亡した場合。
(2)申告期限後20年間農業を継続した場合。(一定の条件に該当する場合に限ります)
(3)農地の全部を農業後継者に一括生前贈与し、その贈与税について納税猶予の特例を受ける場合。
農地の納税猶予を受けるためには、相続税申告書の提出期限までにその農地を取得し、かつ農業経営を開始するなどの要件を満たす必要があります。このため、申告期限までに遺産分割を整えることが不可欠となります。

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は行
配偶者の税額軽減(はいぐうしゃのぜいがくけいげん)
配偶者の税額軽減とは、被相続人の配偶者は、遺産分割や遺贈により相続した正味の遺産額が法定相続分以内であれば、税金がかからないという制度です。また、たとえ法定相続分を超えて相続しても、1億6,000万円までは税金がかかりません。こうした制度があるために、配偶者は相続税がかからないとよく言われるのです。
廃除(はいじょ)
一定の事由がある場合に、被相続人となる人の申立て又は遺言書で廃除の意思表示を行い、家庭裁判所の許可を得て、特定の相続人の相続権を失わせることをいいます。
配当還元方式(はいとうかんげんほうしき)
取引相場のない株式は、原則として、原則的評価方式により評価します。しかし、同族株主等以外の株主の取得した株式については、その株式の発行会社の規模にかかわらず、原則的評価方式に代えて特例的な評価方式の配当還元方式で評価します。
配当還元方式は、その株式を所有することによって受け取る一年間の配当金額を、一定の利率(10%)で還元して元本である株式の価額を評価する方法です(財基通188-2)。配当還元方式によって、算出される株式の評価額を配当還元価額といいます
半血兄弟姉妹(はんけつけいていしまい)
父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹のこと。父母の双方を同じくする兄弟姉妹は全血兄弟姉妹といいます。
非課税財産(ひかぜいざいさん)
相続税の課税対象から除かれる財産。非課税財産には、墓地・祭具、公益事業の用に供される財産、死亡保険金・死亡退職金のうち一定額などがあります。
非居住無制限納税義務者(ひきょじゅうむせいげんのうぜいぎむしゃ)
相続又は遺贈により財産を取得した日本国籍を有する個人で財産取得時に日本に住所を有しないもの(ただし、その個人、被相続人、遺贈をした者がその相続又は遺贈に係る相続の開始前10年以内のいずれかの時に日本に住所を有していたことがある場合に限られる。)
卑属(ひぞく)
自分より世代が下の血族・姻族のことをいいます。
被相続人(ひそうぞくにん)
相続財産を遺した故人のことです。
非嫡出子(ひちゃくしゅつし)
非嫡出子とは法律上の婚姻関係にない男女間で生まれた子のことです。母の戸籍に入り、母の姓を名乗ることになります。 父親に認知されることによって、法律上の父子関係が生まれ、父親の遺産を相続する権利をもつ事が可能となります。
負担付遺贈(ふたんつきいぞう)
負担付遺贈とは、受遺者に一定の法律上の義務を負担させる遺贈です。受遺者は遺贈の承認により目的物を取得すると同時に、負担の履行義務を負うことになります。
普通失踪(ふつうしっそう)
いわゆる蒸発や家出などで、音信普通の状態が7年を過ぎると普通失踪となります。
物納(ぶつのう)
相続税を支払う際に、現金による納付及び年賦延納(年1回の分割払い)によっても納付が困難な場合には、現金の代わりに「物」で納める事が出来ます。これを「物納」と言います。
物納が許可されるためには一定の要件が必要です。
1、現金一括納付及び延納によっても金銭で納付することが困難である事由がある事
2、納期限までに物納する財産の種類・価格等を記載した申請書を提出する事
3、物納財産は国が管理又は処分するのに適したものである事。
納める「物」については、相続により取得した「物」に限定されます。相続人が以前より所有していた「物」は物納出来ません。
物納が可能な資産(ぶつのうがかのうなしさん)
物納には優先順位が設けられており、上位の順位の「物」があればそちらを優先して納めなければならないとされています。
第1順位 国債・地方債、不動産、船舶、上場株式等
第2順位 非上場株式等
第3順位 動産
不動産を物納する際、下記の条件に当てはまる不動産は不適格とされます可能性が高いです。
1、質権・抵当権等、第三者の担保権の設定がある不動産
2、共有不動産で物納者が一部の持分のみしか所有していない不動産
3、買戻し特約・所有権移転仮登記等のある不動産
4、将来、売却出来る見込みのない不動産(囲にょう地、無道路地等)
5、境界が不明確で、隣接地所有者から境界確定の同意の得られない土地
6、都市計画等で公共の用に供される見込みのある土地
7、耐用年数が著しく短いと判断される建物
8、維持管理に特殊技能を有する劇場・工場・浴場等の建物
包括遺贈(ほうかついぞう)
包括遺贈とは、遺言に「○○に遺産の3分の1を与える」というように、遺産の一定割合を指定して遺贈することをいいます。この場合、包括遺贈を受けた者(包括受遺者。相続人に限りません。)は相続人と同一の権利義務を持ちます。

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ま行
未成年者控除(みせいねんしゃこうじょ)
未成年者控除とは日本国内に住所に有する法定相続人である未成年者に対しての相続税額から一定金額を控除する制度です。「10万円×(20歳 - 相続開始時の年齢)」で算出した金額を控除します。
みなし相続財産(みなしそうぞくざいさん)

「みなし相続財産」とは、本来の相続財産ではないが、被相続人の死亡を原因として、相続人のもとに入ってきた財産を税務上相続財産とみなして扱うものです。みなし相続財産として、次のようなものがあります。

・ 死亡保険金(生命保険金・損害保険金)(一定額を除く)
・ 死亡退職金、功労金、弔慰金(一定額を除く)
・ 生命保険契約に関する権利
・ 定期金に関する権利(個人年金など)
・ 遺言によって受けた利益(借金の免除など)
死亡保険金などは、民法上は亡くなった人の財産(遺産)ではなく、死亡によって契約上受取人に指定された者が受取る固有の財産です。しかし、相続税法上は、相続財産とみなして相続税を課すことにしています。そこでこれを「みなし相続財産」と呼んでいます。

名義預金(めいぎよきん)
形式的には被相続人以外の家族名義・他人名義の預貯金等であっても名義を借りているだけあって、実質的には被相続人のものであるとみなされるものをいいます。相続が発生した場合には、その名義預金が被相続人の相続財産として課税されます。

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や行
有期定期金の評価
有期定期金の評価は、その残存期間に応じ、その残存期間に受けるべき給付金額の総額に、下表に掲げる割合を乗じて計算した金額とされています。ただし、その価額が1年間に受けるべき金額の15倍を超える場合には、1年間に受けるべき金額の15倍に相当する金額により評価します。

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ら行
暦年贈与(れきねんぞうよ)
暦年課税とは、贈与税の課税方式のひとつで、1月1日から12月31日までの1年間に贈与された財産の総額に対して課税されるものです。ただし、1人当たり年間110万円の基礎控除額があるため、贈与税は取得した財産価額の合計額から110万円を差し引いた後の価額に課税されます。
たとえば、同じ450万円を現金で贈与する場合であっても、1人に450万円を贈与する場合と3人に現金150万円ずつ贈与する場合とでは、最終的に税務署に申告する贈与税は31万円も違ってきます。これは、贈与の対象が1人の場合には基礎控除後の贈与税対象の財産価額は340万円となり、最終的な贈与税は43万円となります。しかし、3人の場合にはそれぞれ110万円ずつの基礎控除があるためその分が非課税となるためです。
路線価(ろせんか)
相続税や贈与税を算出するときの基準になる主要な道路に面した土地の税務上の評価額を、1平方メートル当たりの単価で表したものです。国土交通省が発表している公示地価の8割の水準を目安に専門家が評価して、国税庁が毎年夏頃に公表しています。
全国の税務署や国税庁のホームページで路線価図を閲覧可能です。また全国約40万地点の標準宅地の平均路線価と、都道府県庁所在地の最高路線価は新聞で公表されています。

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