遺産分割とは?流れや分割方法を専門家が解説

遺産分割協議

相続について回るのが、遺産分割です。
そして、一番トラブルが発生しやすいのが遺産分割です。
でも、揉めないのが一番良いですよね…。揉めると今まで仲良かった家族がバラバラに…ということもなりかねません。

このページを生前対策でご覧になっている方は、ぜひ、遺言書を残して、遺産分割時にトラブル回避を!
もし、相続発生されてこのページをご覧になっている方は、遺産分割の仕方や流れをご理解の上、遺産分割協議にお臨み下さい。

遺産分割とは?

「遺産分割」とは、被相続人(故人)の遺産を相続人の間で遺産を分ける手続きを言います。
遺産分割は遺言書の有無によって方法が異なります。
遺言書がある場合は、遺言書に従って行う遺産分割。
ない場合は、相続人同士全員で話し合って行う遺産分割になります。

遺言書がある遺産分割

被相続人(故人)が遺言書を残していた場合、原則として遺言書通りの遺産分割を行います。

遺言書は一定条件をクリアすると効力のある法律文書になるので、相続人が不満であっても従うことになります。
遺言執行者が指定されている場合は、遺言執行者が相続手続きを行い、指定されていない場合は相続する人の全員が相続手続きを行います。

原則的には遺言があれば遺言の通りにしますが、遺言が無効になるケースもあります。

  • 遺言が所定の方式に従って作成されていない場合
  • 遺言の内容が不明確な場合
  • 遺言書の内容が公序良俗違反
  • 遺言者に遺言能力がなかった場合

また、相続人全員の合意があれば、遺言書と異なる方法による遺産分割も可能です。
遺言が無効の場合は、相続人全員で遺産分割を行います。

遺言書がない遺産分割

遺言書が無い場合は、相続人全員で遺産分割協議を行います。
遺言分割協議には相続人全員が参加し、話し合って遺産分割の方法を決めます。

全員が合意したら、その内容を遺産分割協議書にまとめ、相続人全員が署名押印して締結します。

もし、遺産分割協議で全員の合意がとれなかったら?

遺産分割協議がまとまらず、揉めてしまった場合、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てましょう。

遺産分割調停では、中立の立場の調停委員に仲介してもらい、当事者の事情を聞いてもらいながら現実的な解決策を提案します。
調停で相続人全員が同意すれば調停成立となりますが、同意しない人がいる場合は家庭裁判所が審判によって結論を出します。

遺産分割協議したいが集まれない場合は?

相続人が海外にいる場合や、行方不明の場合など、遺産分割協議を行いたいけど全員集合できない!というケースもあります。

相続人が海外にいるなど、全員で集まれない場合でも、電話やZOOM、書面で話し合い、協議書の内容に全員が合意すれば問題ありません。
海外に移住してて、住所を海外に移している場合は印鑑証明書がないので、署名証明を行うことになります。署名証明には大使館などに出向く必要があるので面倒な手続きが増えます。

一方で連絡がとれない相続人がいるケースも少なくありません。
その場合は、戸籍の附票に現住所が記載されているので、その住所に手紙や訪問をして連絡が取れないか試してみましょう。
色々手を尽くしたけど、どこにいるのか本当にわからない…という場合は
不在者財産管理人を立てて、遺産分割協議を行います。

遺産分割の4つの方法

遺産分割は4つの方法があります。
遺産の内容や相続人の状況に応じて選択しましょう。

  • 現物分割…財産をそのままの形で分ける
  • 代償分割…財産をもらった人が差額分を代償金として、他の相続人に支払う
  • 換価分割
  • 共有分割
遺産分割協議の現物分割
遺産分割協議の代償分割
遺産分割協議の換価分割
遺産分割協議の共有分割

現物分割のメリットとデメリット

現物分割|遺産分割4つの方法

現物分割は、自宅は母親に。現金は長男に、貴金属や有価証券は長女に・・・

のように、個々の財産を各相続人に分ける方法です。

メリット:財産をそのまま残せる

デメリット:法定相続分に従って分けるのが難しい事が多くて、不公平感が出る

代償分割のメリット・デメリット

代償分割|遺産分割4つの方法

代償分割は相続人の一人が財産を相続します。法定相続分を超える財産を取得した場合は他の相続人に差額を代償金として支払う方法です。

財産が不動産メインだったり、その不動産に住みたい相続人がいる場合によく行われる分割方法です。

メリット:不動産がほしい人、現金がほしい人がいたら合意が取りやすい

デメリット:代償金の金額で揉めることがある

換価分割のメリット・デメリット

換価分割|遺産分割4つの方法

換価分割は、財産を売却して、その代金を相続人で分割する方法です。

メリット:公平に分割出来る

デメリット:財産の現物が残らない、売却の手間が生じる、売却益が発生すると所得税や住民税が発生する。

共有分割のメリット・デメリット

共有分割|遺産分割4つの方法

財産の一部、もしくは全部を相続人全員で共同で所有する方法です。

メリット:現物を残せる
メリット:公平に相続できる

デメリット:リフォームや活用方法などは相続人全員の同意が必要で揉めやすい
デメリット:2次相続(今回の相続人が亡くなったときの相続)が複雑になる

相続時は公平な分割を出来ますが、2次相続や財産を活用するためにも、共有名義の解消は早めに行うのをオススメします。

遺産分割のトラブルで一番多いのが自宅の相続

相続税申告のうち、75%が自宅と少々の現預金・・・という遺産で起こっています。
その原因はほとんどが自宅です。
代償分割をしたいけど、代償金を払うお金がない。
換価分割したらいいけど、生まれ育った実家は手放したくない。
共有分割は2次相続を考えたら、考えられない!

不動産など、分けられない遺産に関しては最もトラブルが多いです。
相続人間の話し合いでは埒が明かなくなってしまったら、弁護士に相談をしましょう。

遺産分割の流れ

遺言書があるかどうかを確認

最初に、遺言書があるかどうかを確認しましょう。
遺産分割があった場合、自筆遺言書や秘密証書遺言書ならば家庭裁判所に検認の手続きを行いましょう。
公正証書遺言書が見つかった場合は、原本が公証役場にありますので、連絡しましょう。

遺言書があって、有効な場合

遺言書があった場合は、原則として遺言書に従った遺産分割を行います。
遺言執行人が指定されている場合は、遺言執行人が遺言の通りに名義変更などの手続きを行います。
指定されていない場合は、相続する人全員が遺言の通りに行います。

遺言があっても無効になるケースもあります。

  • 遺言書が民法所定の書式で作られてなかった
  • 遺言書の内容が不明瞭
  • 遺言書の内容が公序良俗に反している
  • 遺言者に遺言能力がなかった場合

遺言が無効な場合は、なかったものとして相続人同士で話し合いで遺産分割を行います。

遺言書が無い場合…遺産分割協議を行う

遺言書がない場合は相続人全員で遺産分割を話し合います(遺産分割協議といいます)

一人でも相続人が参加していない場合は遺産分割協議はできず、遺産分割調停に申し立てましょう。

遺産分割協議で合意・・・遺産分割協議書を作成

遺産分割協議で、全員合意が成立したら遺産分割協議書にその内容をまとめます。
ご自身でまとめるのが難しい場合は司法書士や行政書士に依頼すると作ってもらえます。

遺産分割協議でまとまらなかった→遺産分割調停

遺産分割協議は全員が合意しなければいけません。
誰か一人でも合意をしなかったり、話し合いに参加しない場合は、遺産分割調停に申し立てをしましょう。
遺産分割調停では、調停委員が仲介に入って、遺産分割の話し合いを行います。
裁判官の調停案に相続人全員が合意すれば調停成立となり、調停調書が作成されます。

もし、調停案でも誰か一人でも合意しなければ遺産分割審判となります。

遺産分割調停でまとまらなかった→遺産分割審判

遺産分割調停が不成立となった場合も家庭裁判所が審判によって結論を示します。

審判の内容は遺産分割調停の経過や資料など、総合的に判断して決定されます。
各相続人が取得する遺産額は法定相続分を基準に決定されるのが原則です。

遺産分割でよくあるトラブル&トラブル解決方法

遺産分割協議への参加しない相続人がいるんです

遺産分割協議は相続人全員の参加が重要ポイントです。
参加していない相続人が一人でもいたら遺産分割協議は行えず、遺産分割調停に進むことになります。
調停はちょっと・・・という場合はまずは弁護士に相談するのも良いでしょう。

もし、相続人に行方不明者がいる場合は、不在者財産管理人の選任を請求します。
不在者財産管理人は行方不明者の代わりに遺産分割協議に参加する事ができます。

特別受益と寄与分で揉める

特別受益とは・・・被相続人から遺贈や贈与によって相続人が得た特別な利益を意味します(民法903条1項)
婚姻の際の結納金や持参金、教育資金贈与、生活費や住居などの支援を受けていた場合も生前贈与なども特別受益に含まれます。

特別受益があった場合は、持戻(持ち戻し)計算を行います。
持戻計算は、特別受益された財産+相続財産で合算した上で、財産全体で遺産分割を考える方法です。
相続人間で公平な相続を行うことができます。

寄与分とは・・・被相続人の財産の維持や増加に貢献した場合、他の相続人より多くの相続財産をもらう事ができる制度です。
「長年の介護を、通常ならヘルパーを頼むところを被相続人の希望で自分がやってた」などが含まれます。無給か無給に近い状態であることが条件です。
一方で、病院に連れて行く、一緒に御飯を食べる程度ですと、同居してるなら当たり前としてみなされ、寄与分には当たりません。

嫌だったのに、大変だったのに…という思いをしている寄与者が一人でもいる場合は揉めやすいです。
その際は寄与分がいくらに換算されるかを換算して主張することになります。
それを他の相続人が納得いかない場合は家庭裁判所に遺産分割調停を申立てすることになります。

まとめ

何度もお伝えしますが、遺産分割協議書は全員の同意が必要です。
なかなか全員公平に…とはいかないのですが、全員が納得感のある遺産分割協議になりますよう、願っております。

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