海外在住の相続人にも相続税はかかる?申告・納税と相続手続きの注意点

【質問】母が亡くなり話し合いで姉と私(相続人は二人のみ)で預金を折半することになりました。遺産はこれだけです。私は日本に住んでいるのですが、姉は結婚してから20年以上外国に住んでいます。私だけ相続税を払わなくてはいけないのでしょうか?

ご質問ありがとうございます。
税理士法人YFPクレア 資産税部です。

お母様が亡くなられたとのこと、心よりお悔やみ申し上げます。
大変な時期に、今後の手続きや税金のことでご不安な思いをされていることとお察しいたします。

結論

結論からお伝えしますと、あなただけが相続税を払う(お姉様が免除される)ということはありません。
お姉様にも日本の相続税がかかります。

なぜお姉様にも税金がかかるのか、その理由と注意すべきポイントを分かりやすく整理しました。

1. なぜお姉様にも相続税がかかるのか

日本の相続税は、「亡くなった方(お母様)が日本にお住まいだった以上」それだけで世界のどこにある財産にも日本の相続税がかかります。したがって、お姉様がどこに住んでいようと関係ありません。

したがって、お二人とも「相続税の申告・納税が必要な人」になります。お姉様が海外に住んでいるからといって、あなた一人に税金が押し付けられるような法律にはなっていませんので、その点はどうぞご安心ください。

2. 税金の計算はどうなる?

お姉様も納税義務があるため、相続税の計算や負担は以下のように進みます。

全体の税金を計算する

複数の銀行口座、総額を計算します。

STEP
1

お母様の残された預金の総額から、基礎控除額(4,200万円)を差し引いた金額をベースに、全体の相続税を計算します。

基礎控除の計算式:3,000万円+(600万円×相続人の数2人)=4,200万円

※もし預金の総額が4,200万円以下であれば、お二人とも相続税はかからず、申告も不要です。

STEP
2

分けた割合で負担する

話し合いで「折半(50%ずつ)」と決められたのであれば、計算された全体の相続税も、基本的にはそれぞれ半分ずつ(50%ずつ)出し合って納めることになります。

STEP
3

3. 海外在住のお姉様との手続きで注意すべき点

お姉様も税金を払う必要がありますが、海外に住んでいるため、手続きの面で日本在住のあなたとは少し異なるステップが必要になります。

「納税管理人」の選任

お姉様は日本の税務署へ直接納税したり通知を受け取ったりすることが難しいため、日本国内にいる誰かを「納税管理人」として指定し、税務署に届け出る必要があります(あなたが管理人になることも可能ですし、税理士に依頼することもできます)。

お姉様がスムーズに納税できるよう、日本での納税管理人の選任などをしっかりサポートしてあげることが必要です。

海外在住の相続人は書類の準備にも注意

海外に住んでいる相続人がいる場合、相続税だけでなく、遺産分割や預金の名義変更などの手続きにも注意が必要です。

日本に住民登録がない場合、日本の印鑑証明書を取得できないことがあります。

その場合、日本国籍の方であれば、海外の日本大使館や総領事館などで取得できる「署名証明(サイン証明)」を、印鑑証明書の代わりとして使用することがあります。また、手続きによって必要な書類は異なるため、銀行などの提出先へ事前に確認しておくことも大切です。

海外との書類のやり取りには時間がかかることもありますので、海外在住の相続人がいる場合は、通常の相続よりも余裕をもって手続きを進めることをおすすめします。

まとめ

税金はお姉様とあなたでそれぞれ半分ずつ負担する形になりますので、あなただけが損をするようなことはありません。

まずは、お母様の相続で、相続税がかかる財産が4,200万円を超えているかどうかをご確認ください。(本当に預金以外に相続税の対象となる財産がないかどうかプロに確認してもらうと安心です)もし超えている場合には、お姉様に「海外に住んでいても遺産をもらうと日本の相続税がかかるよ」としっかり伝えること、どうやって申告し納付するかしっかり話し合うことが大切です。

投稿者プロフィール

税理士法人YFPクレア 資産税チーム
税理士法人YFPクレア 資産税チーム
税理士法人YFPクレアの相続専門チームは相続税だけではなく、
資産を守るための「法人税」「所得税」などにも精通し、
次世代、次々世代のために資産を長く資産を残していただくための
相続を行っています。

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