税務調査とは!?

「税務調査」と聞くと、多くの経営者様が「こわい」と感じられるのではないでしょうか?
映画「マルサの女」や、2時間ドラマ「税務調査官 窓際太郎の事件簿」をイメージしている方も少なくないかと思います。
知らないうちにゴミ箱を漁られて証拠をとられていたり、突然黒いスーツの怖い人たちがいっぱいやってきて「動くな!」と静止させられ、段ボールに資料を詰めて持って帰る、ということは実際にはほぼありません。
このような税務調査は、巨額で悪質な脱税行為を摘発するために捜査令状をもってやってきます。
税務調査とは、確定申告(法人税、所得税、相続税など)が正しく申告されているかどうかを税務署が調査しにくるのが税務調査です。
以前は法人に税務調査が入ることが多かったのですが、個人事業主であっても税務調査が入ることが多くなってきました。
最近はサラリーマンの副業で株取引や不動産所得、オークションから収入を得られている人が多くなったことで、サラリーマンの副業に関する税務調査のご相談も増えてまいりました。
税務調査は法人税だけでも9万5000件行われており、そのうち指摘された件数は7万件(全体の74%)、申告漏れ所得金額は8,232億円、津徴税額は1,707億円です。
所得税についても、11万7千件の税務調査が行われ、そのうち2.7%が悪質な脱税とみなされ重加算税が適用されています。(平成26年国税庁より)

税務調査が入る時期
税務調査が入る時期は、3月の確定申告と最も法人税申告が多い5月が終わって落ち着き、異動も終わった7月頃からスタートして8月から11月頃までが最も多い傾向にあります。
税務調査の対象期間(年数)
税務調査の対象となる期間(年数)は基本は5年間ですが3年間のケースもあれば、脱税など悪質だと税務署が判断した場合は最大7年間が対象期間です。
調査では会計帳簿や領収書など過去の書類の提示を求められます。領収書や請求書は5年間、会計帳簿は7年間の保管義務がありますのでご注意ください。
「5年も前のことなんて覚えてないよ!」と言っても税務署には通用しません。少なくても3年~5年はさかのぼって調査されます。
今の領収書や請求書が5年後調査に入られたときにきちんと説明できるように裏書するなど準備しておくことが重要ですね。

税務調査が入る法人・個人の特徴
税務署は申告書を見て税務調査に入るかどうかを決めています。
無申告であることも少なくなく、調査の対象になることは多いです。税務調査の対象となるのは全ての個人・法人ではありますが、ランダムに選ばれているわけではありません。
税務調査官も仕事ですので、指摘をたくさんした方が出世に繋がるため、選んでやってきます。
・法人成りして3年程の会社
・黒字の会社
・売上や利益が急激に増えている(もしくは減っている)会社
・以前の調査で追徴課税を受けた会社
・消費税の還付を受けた会社
・脱税が多い業界の会社
・内部告発があった会社
・非経常的な経費が多い会社
このような会社は個人・法人問わず、税務調査が多い傾向があります。
よくある質問で「いくらくらいから入りますか?」と聞かれますが、会社の規模としては年商1000万円程度からが行われています。
税務調査が入る頻度
税務調査が入る頻度は会社によっても大きく異なります。よく5年に1度ペースで来ると言いますが、実際はそうではありません。
脱税した会社や不正に加担している可能性がある会社などは3年に1度調査が入ります。
税務調査の注意点
税務調査ではよく見られるポイントがあります。
・売上の操作がないか(売上計上の時期の操作、金額の操作、計上漏れ)
・交際費は適切か(個人的なものは含まれていないか)
・在庫の計上漏れ
・架空の人物に対する人件費の支払がないか
・外注費
簡単に言うと、「売上を少なく見せたり、経費を多くしていないか(利益を減らそうとしてないか)」「プライベートな費用を会社の経費で落としていないか」という2点をよく見られます。
売上の操作がないか(売上計上の時期の操作、金額の操作、計上漏れ)
「本当は今期に売り上げたけど、来期にした」というのはNGです。
この間違いを指摘されることが多数あります。
会計基準として、売上の計上は、モノ(商品やサービス)を提供した日付で計上しなければなりません。(これを発生主義といいます)
実際にお金を振り込まれた日付や、請求書を送った日付にすることは出来ません。
税務調査では証拠を押さえるために、預金通帳や納品書、請求書はもちろん、メール等のやり取りなど書類の照合を行います。
ウッカリミスではなく、故意に利益を減らそうとした場合、重加算税の対象にもなります。
また、故意に売上を少なくした…というのもNG。
社長個人の預金通帳のチェックも含めて調査されます。
交際費は適切か(個人的なものは含まれていないか)

・接待ということにしたプライベートの飲食代
・贈答用ということにした自分用のもの
・取引先といったことにした家族旅行
個人的なものを会社の費用として計上していた場合、経費としては認められません。
さらに、役員賞与の源泉所得税徴収漏れとして2重で税金を加算され、さらに悪質と判断されれば40%加算のされます。
社長は軽い気持ちで経費に入れているかもしれませんが、非常にリスクが高い行為です。
在庫の計上漏れ
「今期は利益が出ちゃったから、仕入をいっぱいして利益を減らそう」という行為は極めてNGです。
在庫表をちょっと操作すれば簡単に操作ができてしまうので、社長はバレないと思いきや、税務署にとってはお見通し。
売上と仕入と在庫の流れを見ればばれてしまいます。
架空の人物への人件費
架空の人物へ人件費を払ったことにして、利益を減らすのも当然NG。
働いていないのに身内を入れていたりしてもタイムカードや源泉徴収簿、履歴書などがチェックされます。
外注費
本来、給与にしなければならない人件費を外注費とすることによって、消費税の納税額が減るのです。
それも税務署は許しません。
外注費にするためには、
相手が他からも同様に外注を受けていることだったり、物品や通勤費の支給がないことや、請求書が存在すること等があります。

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税理士法人YFPクレアの税務調査立会サポート
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