社会福祉法人様に選ばれる理由

社会福祉法人とは

社会福祉法人とは、社会福祉事業に対する社会的信用や事業の健全性を維持する上で、強い公的規制のもと、助成を受けられる特別な法人として創設されました。

社会福祉事業には下記のものがあります。
障害者関係施設
保育所、その他児童福祉施設、保護施設
擁護老人ホーム、軽費老人ホーム
特養等介護保険施設
授産施設
重度心身障害児施設
訪問介護ステーション
病院・診療

社会福祉事業のほか、公益事業と収益事業を行うことが可能です。

公益事業とは…

社会福祉と関係ある公益を目的とする事業
介護老人保健施設(無料定額老人保健施設利用事業を除く)の経営 有料老人ホームの経営など

収益事業とは…

その収益を社会福祉事業にあてることを目的とする事業
貸ビルの経営 駐車場の経営 公的施設内の売店の経営など・・・

 

社会福祉法人の会計及び税務

社会福祉法人の資産や運営費、経費などの会計については細かく規制されています。株式会社などとは大きく異なるのできちんと理解がある税理士にご依頼ください。

〇規制・監督されている事柄
社会福祉法人設立の際の必要な資産の保有や法人の組織運営等に関して一定要件が必要です 適正な施設運営を確保するために、運営費の支出対象経費、繰入等に関する規制があります。
事業収入は原則として社会福祉事業にのみ充てられ、配当や収益事業に支弁できません。

〇支援・補助されている事柄
法人税、固定資産税、寄付等について税制上の優遇措置されています。
収益事業以外からの所得は法人税が非課税(株式会社は所得の30%)

 

一定規模の社会福祉法人の場合には消費税の申告が必要となる場合があります。

また、社会福祉法人の税務は新会計基準で行う必要があり、対応しておりますのでご安心ください。
新会計基準へ移行やご不安がある方もご相談ください。

 

税理士法人YFPクレアの社会福祉法人様向けサービス

会計ソフトは、複数対応

・福祉大臣 応研

・社会福祉法人 with freee 

・クラウド社会福祉法人会計 ビズアップ

・FX4クラウド TKC

・社会福祉法人会計DX PCA

その他のソフトもご相談ください。

特長1 新会計基準に完全対応

新会計基準が定める区分経理(法人全体、事業区分、拠点区分およびサービス区分)に対応し、組織体系にあった帳表を作成します。法人全体のデータを一元管理するため、事業区分、拠点区分別の内訳表などもリアルタイムで集計できます。新会計基準に準拠した財務諸表(注記を含む)、財産目録、附属明細書を作成します。

特長2 複数事業を同時に行う施設ごとの業績管理機能を搭載

会計上の「拠点区分」とは別に、任意の単位(施設など)でグループ集計できます。施設内の事業だけではなく、他拠点区分の同種の事業などの実績を横並びで比較できます。

特長3 独自の収益事業等に対応した勘定科目を追加登録

新会計基準に準拠した科目体系を初期値として搭載するほか、独自の収益事業等に対応した勘定科目を追加登録できます。事業ごとに勘定科目の利用設定ができます。

特長4 適正な法人税と消費税の申告計算が可能

グループ集計機能を利用し、法人税法上の収益事業を別途区分できます。非営利法人特有の補助金などの「特定収入」がある場合の特例計算にも対応します。

特長5 給与計算や介護保険等のデータ連携

他システムとのデータ連携により、入力担当者の作業負担を軽減し、会計処理の効率化を支援します。

 

特徴6 予算と実績の比較が可能

一定の会計ソフトでは、月ベースでの予算と実績の比較が可能となります。

 

全国の社会福祉法人との比較と適切な税務アドバイス

同業他社比較ツール

TKC社会福祉法人経営指標(S-BAST)をもとに、全国数千件の社会福祉法人の財務情報と比較、膨大な情報に基づく分析を行うことが可能です。その結果、現在のおかれている状況を的確に報告し、将来の成功プランについて経営者様と一緒に考えていきます。

アンケート方式ではなく、実際の社会福祉法人の財務諸表データをそのまま利用しているから正確な数値との比較検討が可能です。

 

社会福祉法人設立からサポート!

税理士法人YFPクレアでは、介護施設、保育所などの社会福祉法人の設立もサポートさせて頂いています。役所や自治体・行政との調整も必要になりますので、打合せを行ったうえで認可手続きを進めます

詳しくは、税理士法人YFPクレア 法人設立専用サイト「社会福祉法人設立サポート」をご覧ください。

 

お客様の声

社会福祉法人クオレ 常務理事 正木秀博様

社会福祉法人のお客様 融資や補助金、助成金にも強いと評価

社会福祉法人についての税務や会計だけではなく融資や人事などにも詳しく、色々とクオレにとってメリットあるご提案を頂いています。また、弊社の税金や資金繰りの相談を真剣に取り組んでいただいており、助かっています。
助成金の提案や介護事業につよい社労士のご紹介頂き、助成金も無事にもらうことができてたすかりました。財務諸表もただの決算をするだけではなく、経営に役立つようにわかりやすく説明してもらって私も経理担当者も助かっています。

これからも社会福祉法人クオレが不正がなく、しっかりした体制作りができるように指導してください。

ホームページ:地域活動支援センター「il Gruppoパレッタ」社会福祉法人クオレ

私たちが社会福祉法人の担当者です!

社会福祉法人担当 新宿
山中

社会福祉法人の税務コラム

社会福祉法人と一般法人(株式会社・合同会社等)との法人税・住民税及び事業税負担軽減

法人税非課税

社会福祉法人は公益法人に該当し、公益法人は収益事業(34業種の限定列挙)を行う場合に法人税が課税されます。
 介護事業及び福祉事業等は収益事業の中の医療保健業に該当しますが、法人税法施行令第5条29のロの収益事業の範囲では、下記のように規定されているため法人税が非課税となります。

第5条 収益事業の範囲
二十九 医療保健業(財務省令で定める血液事業を含む。以下この号において同じ。)のうち次に掲げるもの以外のもの
ロ 社会福祉法第二十二条に規定する社会福祉法人が行う医療保健業

引用:法人税法施行令第5条29のロの収益事業の範囲

※法人税が非課税の為、法人住民税及び法人事業税も非課税となります

各業種ごとの法人税・住民税及び事業税の比較

1. 保育事業

 税引き前当期純利益:年間7,360,000円 ※1
 10年間の税引き前当期純利益:73,600,000円
(ア) 社会福祉法人の場合・・・非課税

(イ) 一般法人の場合・・・・21,888,640円(法人実効税率29.74%で計算 ※4)

2. 介護事業

 税引き前当期純利益:年間7,761,000円 ※2
 10年間の税引き前当期純利益:77,610,000円
(ア) 社会福祉法人の場合・・・非課税

(イ) 一般法人の場合・・・・・23,081,214円(法人実効税率29.74%で計算)

3. 障害福祉事業

 税引き前当期純利益:年間5,954,000円 ※3
 10年間の税引き前当期純利益:59,540,000円
(ア) 社会福祉法人の場合・・・非課税

(イ) 一般法人の場合・・・・・17,707,196円(法人実効税率29.74%で計算)

まとめ

 社会福祉法人で行う事業は法人税・住民税及び事業税が非課税となります。
 税額で比較した場合、一般法人より社会福祉法人で事業を実施することで税負担が減ります。
 ※事業によりますが固定資産税も非課税となる場合があります。
 
 しかし、税が減る反面、設立までの道のり(人集め・地域のニーズ・認可までの膨大な時間)、設立後の運営等(議会の開催・複雑な会計・毎年の監査)のデメリットも存在します。

 弊社では社会福祉法人会計のサポートも行っており、社会福祉法人の設立や労務関係等も他の仕業の先生方と連携してサポートを行っております。

※1 TKC経営指標 保育所 全国平均 令和2年度参照
※2 TKC経営指標 通所・短期入所介護事業 全国平均 令和2年度参照
※3 TKC経営指標 その他の障害福祉事業 全国平均 令和2年度参照
※4 財務省 国・地方の法人実効税率

社会福祉法人に対する税理士の関与について

社会福祉法人は『社会福祉法』という法律に基づき設立された法人で、その目的は社会福祉事業を実施することにあります。

 社会福祉事業とは社会福祉法第2条において第一種・第二種福祉事業として限定列挙された事業であり、例を挙げると特別養護老人ホーム、保育園、デイサービスセンターなどがありますが、主には公共性の強い、社会的弱者の生活を支えることを目的とした事業といえます。

 そういった地域の福祉サービスにこたえるための事業であることから、営利を求める一般事業会社とは事業目的や会計目的に多くの違いが生まれることになります。

【一般事業会社】… 営利法人として株主や債権者の利益を追求し、会計開示は利益やその利益の源泉を開示することを目的。株主や債権者は開示資料をもとに投資を意思決定。

【社会福祉法人】… 非営利法人として社会福祉事業目的を達成し法人を継続させることで地域の福祉ニーズにこたえることが目的。会計開示は事業目的の財源及び使途の透明性を開示することを目的。株主も投資家も存在しない。

このような成り立ちの違いから社会福祉法人では補助金制度が多くある他、税金面でも優遇措置が図られています。たとえば社会福祉事業を営む場合法人税も消費税も非課税ですし、固定資産税・都市計画税も社会福祉事業の用に供する固定資産には固定資産税等は課されません(地方税法348②、地方税法702の2②)。一般事業会社ではよく出てくる印紙税についても継続的取引の基本となる契約書については不課税となっています。

では我々会計専門家として特に税理士は社会福祉法人にとってどのようなニーズがあるのでしょうか。

一般事業会社においては上述のように利害関係者への正しい会計開示を行うことで正しい納税額を算定することや、会計基準・税制を使った税務上のアドバイスが主な役割といえると思います。

 しかし社会福祉法人においては上述のように各種納税義務がないことから税金計算にいくら詳しくともそのニーズはないように思われますが、そのようなことは決してありません。社会福祉法第55条の2第5項には以下のように記載されています。

『社会福祉法人は、社会福祉充実計画の作成に当たっては、事業費及び社会福祉充実残額について、公認会計士、税理士その他財務に関する専門的な知識経験を有する者として厚生労働省令で定める者の意見を聴かなければならない』

 細かい内容は省きますが、要は計算書類の作成、計算書類を作成するための日々の記帳から開示内容については会計の専門家の関与が必要になるということです。

 社会福祉法人の計算書類は開示内容が多く、そして細かく法令で規定されています。それらに対応するためには、社会福祉法人固有の会計処理を理解し、アドバイスできることが必要となります。また前述の社会福祉充実計画の作成・算定については法人の経営や運営の状況についてその内容を理解し、正しく計算書類に反映させることが必要となります。

我々税理士は、社会福祉法人の経営者とコミュニケーションをとることで法人の組織運営に関する情報を入手し概況を理解して計算書類に反映させています。また経理担当者とのコミュニケーションをとることで記帳業務へのアドバイスや規定への準拠を確認しています。このように法人と税理士が協力していくことで適正な計算書類の開示が達成されると言えます。

小規模社会福祉法人のための経理相談 Vol.1

社会福祉法人の経理担当者のみなさん、はじめまして。
税理士法人YFPクレアの社会福祉法人担当、新井と申します。

このコラムでは、社会福祉法人の経理担当者の方々に役立つ情報をご提供させていただきます。

突然ですが、以下のようなお悩みを抱えていませんか?

「社会福祉法人会計が分からない」
「社会福祉法人に詳しい税理士・会計士が近くにいない」
「WAMNETの情報開示が大きな負担となっている」
「補助金・助成金の手続きに手間と時間がかかりすぎている」
「売却時の税負担を理由に地主が土地を売ってくれない」
「ITを活用して業務を効率化したい」

こういった経営者さまの声はよく聞かれますし、非常に多いお悩みと言えます。

また、世間一般的にも人手不足が叫ばれて久しいですが、とりわけ1法人1施設を想定した多くの小規模社会福祉法人の場合、事務員を十分確保するに至らず、
経理事務は主任保育士が兼務している」
給与計算は施設長が1人で担っている」
といったことは現実にはよく見かける光景です。
このような人手不足のお悩みも、よく聞かれるお悩みのひとつです。

にもかかわらず、「社会福祉法人に備え付けるべき経理規程(注1)」によれば、
・会計責任者(第8条第1項)
・出納職員(同条第2項)
・予算管理責任者(第17条)
・固定資産管理責任者(第52条)
を設置した上で、理事長は毎月、月次試算表について会計責任者から報告を受けなければなりません(第32条)。

これだけの役割をもった人材の配置を求められています。
小規模な社会福祉法人にとって、これは難題と言えるでしょう。

そこで、厚生労働省は経理事務マニュアル(注2)において外部専門家の活用を推奨しています。
当事務所はその外部専門家としてみなさんのご相談に応じます。

まずはお気軽にお問い合わせください。

次回のコラムは経理事務マニュアルを参考に、「社福経理の心得その1」をお届けします。
どうぞご期待ください。

(注1) 「平成 29 年版 社会福祉法人モデル経理規程」(全国 社会福祉法人経営者協議会)参照
(注2) 厚生労働省ホームページ参照

小規模社会福祉法人のための経理相談 Vol.2
~社会福祉法人経理事務マニュアル①~

社会福祉法人の経理担当者のみなさん、こんにちは。
税理士法人YFPクレアの社会福祉法人担当、新井と申します。

今回から社会福祉法人経理事務マニュアルを解説していきます。
お持ちでない方は、厚生労働省HPよりダウンロードしてください。

それでは、「第1章経理事務の概要」から見ていきましょう!

1.法人内の経理体制

まずは、理事長は法人内の職員から以下の経理担当者を任命します。

会計責任者・・・法人の経理事務の責任者です。
 ⇒法人で1人でも可能ですが、各施設(拠点区分)ごとにその責任者を配置するのが一般的でしょう。

出納職員・・・会計責任者に代わって、一切の経理事務を行わせるために配置します。
 ⇒日常の経理を実際に行うのが出納職員です。出納職員が経理作業を行い、会計責任者は指示とチェックを行うという役割分担をします。これは内部牽制を行うためという意味があります。つまり、間違いや不正を招かないようにということです。

予算管理責任者・・・予算の編成ならびに予算の執行および管理について理事長を補佐します。また、会計責任者は予算管理責任者を兼務できます。
 ⇒社会福祉法人は活動資金の多くを公金により工面しています。よって、予算管理は重要です。詳細は「第3章予算事務」でご紹介します。

固定資産管理責任者・・・固定資産の管理を行います。
 ⇒社会福祉施設を運営するには数多くの固定資産を取得し活用することが必須です。それだけ多額の設備投資が必要であり、その管理も重要です。

2.会計帳簿・帳票について

会計帳簿は拠点区分ごとに作成し、備え置きます。

具体的には以下の通りです。

主要簿・・・仕訳日記帳、総勘定元帳

補助簿・・・小口現金出納帳、固定資産管理台帳、基本金台帳、寄付金台帳
 ⇒その他にも経理規程に記載して、備え置くことができます。

その他の帳簿・・・会計伝票、月次試算表、予算管理表など
 ⇒こちらも必要に応じて経理規程に記載し、備え置くことができます。

会計に関する書類の保存期間は以下の通りです。

・計算関係書類 10年
・財産目録     5年
  ⇒決算時に作成します。詳細は第9章でご紹介します。

・主要簿、補助簿、その他の帳簿    10年
・証憑書類(請求書、領収書等の原本) 10年

まとめ

さて、ここまでご覧いただきどのような感想をお持ちになったでしょうか。。。

「うちには、そんなにたくさんの職員を配置できない!」
「だから、重要な確認作業はすべて施設長に任せている。。。」
「でも、社会福祉法人会計の専門家にサポートしてもらいたい!」

そのような法人も多いのではないでしょうか?

そんなとき、経理事務マニュアルでは外部専門家の活用を推奨しています。

記帳代行業務(出納職員のサポート)や会計指導業務(会計責任者のサポート)のご要望がございましたら、ぜひ、弊社までご連絡ください。

小規模社会福祉法人のための経理相談 Vol.3

~社会福祉法人経理事務マニュアル②~

社会福祉法人の経理担当者のみなさん、こんにちは。
税理士法人YFPクレアの社会福祉法人担当、新井と申します。
前回に引き続き社会福祉法人経理事務マニュアルを解説していきます。

お持ちでない方は、厚生労働省HPhttps://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_13323.html
よりダウンロードしてください。

今回は、「第2章経理事務スケジュール」を見ていきましょう!

1.経理事務の年間スケジュール

年間を通じて、忙しいのは年明け1月から6月にかけてです。

今回はそこにスポットを当てます。

<1月>

●年末調整、源泉徴収票の発行、源泉所得税の納付、法定調書・給与支払報告書の提出

社会福祉法人では税務に関してお話することは少ないのですが、唯一、注意しなければならないのは職員給与などから生ずる源泉所得税です。多くの法人では役員、正規職員、パート職員までたくさんの職員を抱えて業務を行っていますのでそれだけ処理すべき件数は多く、納付すべき税額は大きくなります。社会福祉法人に対して税務署は法人税や消費税ではなく源泉所得税のみをターゲットに調査することがあります。油断していると何度も調査の対象となる可能性もあるでしょう。

<2月~3月>

●当年度補正予算および来年度予算案の作成

これも非常に大事なプロセスです。特に来年度予算案は当年度内に理事会(場合によっては評議員会でも)で承認されなければなりません。3月に理事会や評議員会を開催するにしても予め議論の対象である予算案は書面で会議の構成員に示しておくことが一般的です。逆算すれば、やはり2月から補正予算も含め、予算編成を行うべきでしょう。

詳細は「第3章予算事務」でご紹介します。

<4月~6月>

●決算業務(決算処理、固定資産管理台帳の見直し、附属明細書等の作成)

決算日(3月31日)を過ぎれば、いよいよ決算業務開始です。とはいえ、通常業務をこなしながら決算を行うのは過重労働といっても言い過ぎではありません。しかも決算時にしか出てこない処理も含め正確に処理し、固定資産管理台帳や未収金台帳などとの整合性チェック、附属明細書の作成などやるべきことはたくさんあります。しかし、監事監査の前には計算書類等を完成させなければならないのです。詳細は「第9章決算」でご紹介します。

●監事監査

社会福祉法人の役員には監事が少なくとも2名含まれています。理事会提出前に計算書類等は監事によるチェックを受け、監事監査報告書とともに理事会に提出されます。

●理事会

監事によるチェックを受けた計算書類等は理事会で審議され、承認を受ける必要があります。

●評議員会

評議員会は少なくとも年に一度は開催されます。それは法人の最高意思決定機関である評議員会で決算を承認するためです。評議員会で承認された計算書類等をもって、決算が確定します。

●現況報告書の提出

法人内で決算が確定したら、所轄庁(地方自治体)へ現況報告書を提出します。この報告書には計算書類等が含まれます。提出期限は毎年6月30日です。提出方法は独立行政法人福祉医療機構が用意しているWAMNETを利用して電子データで提出することが現在では一般的でしょう。

●資産総額の登記

決算が確定したら、法人の資産の総額を登記します。資産の総額とは会計上の純資産額を指します。これは毎事業年度末日から三月以内に行うことが組合等登記令に定められています。社会福祉法人の場合は必ず毎年6月30日が期限となります。

しかし、これで終わりではありません。

所轄庁へ報告が終われば、その後、所轄庁からのチェック(実地検査)を受けるのです。

小規模な法人ほど、これらの業務は相対的に負担が大きくなっていることは事実でしょう。

社会福祉法人に詳しい専門家にサポートを依頼したいと思った方は是非、弊社までご連絡ください。専任の職員が日常の経理から決算業務、実地検査の立会いまでサポートする体制を整えてお待ちしております。

社会福祉法人は人が要

コロナ禍の中、世間ではリモートワークを実施されている会社が多かったこの1年かと思います。
コロナは特定の法人にのみ降りかかるものではなく、法人の大小・種類にかかわらず日本中の多くの法人がこの影響を受けました。

先日、公認会計士や監査法人による監査が対象となるような大規模社会福祉法人が多数参加された、公認会計士協会主催の社会福祉法人コンベンションに参加させていただきました。

今回のコンベンションではコロナ禍でのリモートワーク対応の話やリモートワークをして苦労された点、よかったと思う点という話が出ておりました。

その結果、今回参加された比較的人的資源の豊富な大法人であっても、リモートワークに対応した法人はかなり少なく、多くの法人はコロナ禍に入る前と同様に出勤され、利用者や従業員のコロナ対策に対して非常に気を使っていた、というお話が多かったです。
リモートワークを実施した法人の例としてはコロナだから、というよりも複数拠点をもっており地理的に遠いため、元々打ち合わせをオンラインでやっていた、というような理由が多かったです。
やはりそのサービスの特性上、事業所で人の手が必要な業種が多いということであったのかと思います。

今般デジタル化が台頭する世の中であっても社会福祉法人の多くの法人様が今後も従業員のマンパワーを元手にサービスをされるのかと思われます。

そこで今回は社会福祉法人の経営分析から人件費の比率を考えてみます。

人件費比率

 全国平均都市部以外都市部
障害者福祉事業のみ63.8%63.8% 64.3%
児童福祉事業のみ 70.9% 73.1%69.4%
老人福祉事業のみ65.8% 66.5%69.4%
複数事業実施67.5%65.6%70.3%

                                                    出典 TKC S-BAST統計より

ここで人件費率はサービス活動収益に対する人件費の比率になります。すなわち、売上に対して6割から7割は人件費が計上されている、ということになります。

一般事業会社においてもサービス業における人件費比率は大きいことが多いですが、クリニックであっても平均50%、他業種では小売業などではでは平均20%であることを考えると非常に高い数値であることがわかります。文字通り「人が要」なのです。

このことから社会福祉法人会計において人件費は非常に重要な項目となっています。
法人様に会計報告をする際、たとえば「人件費比率が75%を超えますと損益的にはかなり苦しいです」などとアドバイスさせていただくのは、このような統計があるためです。
ご自身の法人の経営指標として弊社ではTKCのS-BAST(社会福祉法人経営指標)より他社比較情報を用いて経営情報に対するアドバイスをさせていただくことも可能ですので、是非お問い合わせいただければと思います!

社会福祉法人と固定資産税

いつもお世話になっております。 
税理士法人YFPクレア山中でございます。

社会福祉法人は当該実施する事業によって固定資産税が非課税とされています。
(根拠条文:地方税法348条:固定資産税の非課税の範囲)

今回は保育園の中でも小規模保育事業について固定資産税が非課税か見ていきたいと思います。

【根拠条文】

地方税法第348条10の2
社会福祉法人その他政令で定める者が児童福祉法第6条の3第10項に規定する小規模保育事業の用に供する固定資産

当該根拠条文はとてもシンプルに、社会福祉法人が実施する小規模保育事業は、当該小規模保育事業の用に供する固定資産は非課税と定義されています。

では、次にここでいう小規模保育事業とはどのような事業かを見ていきます。

【小規模保育事業】

小規模保育事業の根拠法令は児童福祉法となります。
簡単に申し上げますと利用定員6人以上19人以下の3歳未満の乳幼児をを保育する事業となります。

根拠条文は次の通りです。

児童福祉法第六条の三 第十項
 この法律で、小規模保育事業とは、次に掲げる事業をいう。
 保育を必要とする乳児・幼児であって満三歳未満のものについて、当該保育を必要とする乳児・幼児を保育することを目的とする施設(利用定員が六人以上十九人以下であるものに限る。)において、保育を行う事業

そのため、社会福祉法人が行う小規模保育事業は固定資産税が非課税となります。
仮に小規模保育事業に係る土地や建物も購入した際にも固定資産税が非課税となります。

【余談】

余談になりますが、その他政令で定める者とあり、社会福祉法人以外でも小規模保育事業は固定資産税が非課税になる者があると読み取れます。

弊社では社会福祉法人以外でも保育事業も何件かお手伝いさせて頂いていますので、そちらも見ていきましょう。

【その他政令で定める者とは】

これは地方税法施行令第四十九条の十一の二に定められており、条文内容は以下の通りです。

法第三百四十八条第二項第十号の二に規定する政令で定める者は、社会福祉法人(日本赤十字社を含む。次条から第四十九条の十五までにおいて同じ。)以外の者で児童福祉法第三十四条の十五第二項の規定により同法第六条の三第十項に規定する小規模保育事業の認可を得たものとする。

うーーん、他の法律が混合していますので一つ一つ紐解いていきましょう。

【児童福祉法第三十四条の十五第二項の規定】

児童福祉法第三十四条の十五 市町村は、家庭的保育事業等を行うことができる。

 国、都道府県及び市町村以外の者は、厚生労働省令の定めるところにより、市町村長の認可を得て、家庭的保育事業等を行うことができる。 

ここでは市町村の許可を受ければ社会福祉法人以外でも家庭的保育事業等を行うことが出来るとあります。家庭的保育事業等の(等)には小規模保育事業も含まれます。

【児童福祉法第六条の三第十項】

 この法律で、小規模保育事業とは、次に掲げる事業をいう。

 保育を必要とする乳児・幼児であって満三歳未満のものについて、当該保育を必要とする乳児・幼児を保育することを目的とする施設(利用定員が六人以上十九人以下であるものに限る。)において、保育を行う事業

 この法律は先程も小規模保育事業の根拠条文で出てきました。

 この二つの条文を合算しますと、家庭的保育事業等の内、小規模保育事業を行う者が市町村長の許可を得て行う者と読み取れます。

そのため、社会福祉法人以外でも小規模保育事業を行うために市町村の許可を得ていれば固定資産税は非課税となります(株式会社等も非課税)。

社会福祉法人と固定資産税

(固定資産税の非課税の範囲)

第三百四十八条 市町村は、国並びに都道府県、市町村、特別区、これらの組合、財産区及び合併特例区に対しては、固定資産税を課することができない。

 固定資産税は、次に掲げる固定資産に対しては課することができない。ただし、固定資産を有料で借り受けた者がこれを次に掲げる固定資産として使用する場合には、当該固定資産の所有者に課することができる。

十の三 社会福祉法人その他政令で定める者が児童福祉法第七条第一項に規定する児童福祉施設の用に供する固定資産で政令で定めるもの(次号に該当するものを除く。)

地方税法348条の第2項第10号3項

上記のように地方税法348条の第2項第10号3項に固定資産税の非課税範囲が定められています。
しかし、これだけでは一体何に対して非課税なのか分かりずらいと思います。これを読み解いていきたいと思います

  1. 社会福祉法人その他政令で定める者とは
     社会福祉法人はその名の通りであります。それでは政令で定める者とはどれに該当するかを見ていきます
    1. 地方税法施行令49条の12第1項に定められています。
       法第三百四十八条第二項第十号の三に規定する政令で定める者は、次に掲げる者とする。
       公益社団法人、公益財団法人、農業協同組合、農業協同組合連合会、消費生活協同組合、消費生活協同組合連合会及び医療法人
       学校法人
       前二号に掲げる者以外の者で児童福祉法第三十五条第四項の規定による認可を得たもの

       上記の地方税法施行令第49条の第1項1号及び2号に記載されている法人はその名の通りです。
       児童福祉法第35条第4項の規定による認可を得たものとは次に掲げる者をいいます

    2. 児童福祉法第35条第4項
       国は、政令の定めるところにより、児童福祉施設(助産施設、母子生活支援施設、保育所及び幼保連携型認定こども園を除く。)を設置するものとする。
       国、都道府県及び市町村以外の者は、厚生労働省令の定めるところにより、都道府県知事の認可を得て、児童福祉施設を設置することができる。

       ここでは、都道府県知事の認可を得て、児童福祉施設を設置すれば良いとあるため法人自体は限定されておりません。
       さらに児童福祉施設とはどのような施設を言うのかは、地方税法348条の第2項第10号3の条文にあります児童福祉法第7条第1項に規定されています。

  2. 児童福祉法第7条第1項
     この法律で、児童福祉施設とは、助産施設、乳児院、母子生活支援施設、保育所、幼保連携型認定こども園、児童厚生施設、児童養護施設、障害児入所施設、児童発達支援センター、児童心理治療施設、児童自立支援施設及び児童家庭支援センターとする。

  3. 固定資産で政令で定める者とは
    地方税法施行令49条の12第2項に定められています。
     法第三百四十八条第二項第十号の三に規定する政令で定める固定資産は、次に掲げる固定資産(こどもの国協会の解散及び事業の承継に関する法律(昭和五十五年法律第九十一号)第一条第三項に規定する指定法人が経営する児童福祉法第四十条に規定する児童厚生施設の用に供する固定資産にあつては、事務所その他の管理施設、宿舎及び駐車施設の用に供する固定資産を除く。)とする。

     一 社会福祉法人又は前項第一号に掲げる者が経営する児童福祉法第三十七条に規定する乳児院、同法第三十八条に規定する母子生活支援施設、同法第四十条に規定する児童厚生施設、同法第四十一条に規定する児童養護施設、同法第四十三条の二に規定する児童心理治療施設又は同法第四十四条に規定する児童自立支援施設の用に供する固定資産

     二 社会福祉法人又は前項第一号若しくは第二号に掲げる者が経営する児童福祉法第四十二条に規定する障害児入所施設又は同法第四十三条に規定する児童発達支援センターの用に供する固定資産

      社会福祉法人又は前項各号に掲げる者が経営する児童福祉法第三十六条に規定する助産施設で総務省令で定めるもの、同法第三十九条に規定する保育所又は同法第四十四条の二第一項に規定する児童家庭支援センターの用に供する固定資産


以上のことから社会福祉法人は児童福祉法第7条1項に規定されている児童福祉施設に係る固定資産税は非課税ということになります。
 

また、上記の条文は社会福祉法人以外の固定資産税の非課税についても規定されています。弊社ではこの条文を使って社会福祉法人以外の法人で固定資産税を非課税にした事例があります。ご興味がある方は弊社に問い合わせいただければと存じます。

社会福祉法人の開示計算書類について ①貸借対照表

こんにちは、公認会計士の岡﨑です。
今回は社会福祉法人において開示される計算書類について解説をします

社会福祉法人においては営利法人の採用する企業会計基準と名称が異なってはいますがおおよその内容は同じものとなっております

  • 貸借対照表 :一定時点における財政状態を表す計算書。これは営利法人と同じです
  • 事業活動計算書 :一定期間における経営成績を表示する計算書。これは営利法人において損益計算書とほぼ同じ内容になります
  • 資金収支計算書 :一定期間における支払資金の流入と支出を表示する計算書。これは営利法人においてキャッシュ・フロー計算書とほぼ同じ内容になります。

その他計算書類においては「財産目録」という資産および負債についての明細を開示することになります。

今回は①貸借対照表について説明をしていきます

社会福祉法人会計基準では貸借対照表について「貸借対照表は、当該会計年度末現在における全ての資産、負債及び純資産の状況を明瞭に表示するものでなければならない」と定義しています。

 貸借対照表は英語ではBalance Sheet (B/S)と表記されますがその通り貸借がバランスしていないといけません。以前社会福祉法人の研修を受講したときに講師の先生が公開されている法人の計算書類をチェックしてみたら貸借が一致していないB/Sが結構ある、と聞いて驚いたのですが会計ソフトの設定上?間違えて一致していないままのB/Sを私も見たことはあります。。。

脱線しましたが資産と負債については社会福祉法人会計基準において設定されている科目を使う、ということ以外は特段表示内容について企業会計と異なる概念はほぼないのですが純資産の部については「基本金」と呼ばれる資本金のようなものが設定されます。

 「基本金」とは社会福祉法人が事業開始等にあたって財源として受け入れた寄附金の額を計上するものとされています。

具体的には

  • 社会福祉法人の設立並びに施設の創設及び増築等のために基本財産等を取得すべきものとして指定された寄附金の額…第1号基本金
  • 前号の資産の取得等に係る借入金の元金償還に充てるものとして指定された寄附金の額…第2号基本金
  • 施設の創設及び増築時等に運転資金に充てるために収受した寄附金の額…第3号基本金

の3つに分類されます。

さらに純資産の部に計上されるものとしては

・国庫補助金等特別積立金

  施設及び設備の整備のために国や地方公共団体等から受領した補助金等

・その他の積立金

  理事会決議に基づき、将来の特定の目的に備えるため繰越活動増減差額からの積立金額

・次期繰越活動増減差額

法人が蓄えた増減差額のうちその他の積立金として目的が付されていないもの

があります。

目的及び用途によって積立場所が決まっているという点がかなり固い縛りにはなっています。また今回はざっくりと大枠を記載してみましたが各項目についても細かく検討すべきこともありますので今回は企業会計との違いについてのみフォーカスを当ててみました。

 特に設立直後の社会福祉法人においては基本金の計上方法については難しい点が多いと思います。 そのような場合はぜひ税理士法人YFPクレアまでお問い合わせください。

次回は事業活動計算書について記載していこうと思います。

社会福祉法人の開示計算書類について ②事業活動計算書

こんにちは、公認会計士の岡﨑です。
今回は社会福祉法人において開示される計算書類のうち、事業活動計算書について解説をします。

社会福祉法人においては営利法人の採用する企業会計基準と名称が異なってはいますがおおよその内容は同じものとなっております。

  • 貸借対照表   :一定時点における財政状態を表す計算書。これは営利法人と同じです
  • 事業活動計算書 :一定期間における経営成績を表示する計算書。これは営利法人において損益計算書とほぼ同じ内容になります
  • 資金収支計算書 :一定期間における支払資金の流入と支出を表示する計算書。これは営利法人においてキャッシュ・フロー計算書とほぼ同じ内容になります。

その他計算書類においては「財産目録」という資産および負債についての明細を開示することになります。

今回は②事業活動計算書について説明をしていきます

社会福祉法人会計基準では、事業活動計算書について「事業活動計算書は、当該会計年度における全ての純資産の増減の内容を明瞭に表示するものでなければならない。」と定義しています。
一般事業会社においてもそうですが、この事業活動状況は現場管理上でも重要視される項目となっています。
事業活動計算書は「当年度決算」を「前年度決算」と比較する形で表示され、前年度との差額が「増減」によって表示されます。

さらに事業活動計算書を細かく見ていくと一般事業会社の損益計算書で営業活動にあたる損益が「サービス活動増減の部」においてサービス活動収益とサービス活動費用の差額をサービス活動増減差額として表示されます。
続いて営業外活動にあたる損益が「サービス活動外増減の部」においてサービス活動外収益とサービス活動外費用の差額をサービス活動外増減差額として表示されます。
その下にはサービス活動増減差額とサービス外活動増減差額を集計した経常増減差額が表示されます。

さらにその下に特別損益計算を計上し、「当期活動増減差額」が表示されます。
特別損益のうち収益に計上されるのは施設整備等に係る寄附金、国庫補助金等の収益、固定資産売却等に係る収益その他の臨時的な収益が挙げられ、費用に計上されるのは基本金の組入額、国庫補助金等特別積立金の積立額、固定資産売却等に係る損失その他の臨時的な損失が挙げられます。
基本金については貸借対照表の説明でも記載していましたが、基本金対象となる寄附金を受け入れた場合はその寄附金を事業活動計算書の特別収益に計上した後、その収益に相当する額を基本金組入額として特別費用に計上します。
この辺りは社会福祉法人特有の処理になっているところです。

とはいえ、計算書類の表示形式的にはここまでは比較的損益計算書に近い形になります。

最後に「繰越活動増減差額の部」といういわゆる繰越利益剰余金の計算表が表示されます。

これを計算することで純資産増減とのリンクが完了します。

繰越活動増減差額の部での計算方法については
 前期繰越活動増減差額+当期活動増減差額+基本金取崩額+その他の積立金取崩額-その他の積立金積立額 = 次期繰越活動増減差額
 となります。

また今回はざっくりと大枠を記載してみましたが、各項目についても細かく検討すべきこともありますので、今回は企業会計との違いについてのみフォーカスを当ててみました。

 特に設立直後の社会福祉法人においては使用できる勘定科目や計上方法、基本金回りの取り扱いについては難しい点が多いと思います。 
そのような場合はぜひ税理士法人YFPクレアまでお問い合わせください。

次回は資金収支計算書について記載していこうと思います。

社会福祉法人の開示計算書類について ③資金収支計算書

こんにちは、公認会計士の岡﨑です。
今回は社会福祉法人において開示される計算書類のうち資金収支計算書について解説をします。

社会福祉法人においては営利法人の採用する企業会計基準と名称が異なってはいますがおおよその内容は同じものとなっております

  • 貸借対照表 :一定時点における財政状態を表す計算書。これは営利法人と同じです
  • 事業活動計算書 :一定期間における経営成績を表示する計算書。これは営利法人において損益計算書とほぼ同じ内容になります
  • 資金収支計算書 :一定期間における支払資金の流入と支出を表示する計算書。これは営利法人においてキャッシュ・フロー計算書とほぼ同じ内容になります。

その他計算書類においては「財産目録」という資産および負債についての明細を開示することになります。

今回は③資金収支計算書について説明をしていきます。

資金収支計算書とは

社会福祉法人会計基準では資金収支計算書について
「資金収支計算書は、当該会計年度における全ての支払資金の増加及び減少の状況を明瞭に表示するものでなければならない。」
と定義しています。

資金収支計算書は当該会計年度の「決算」の額を「予算」の額と対比して記載します。
この場合「予算」欄に記入する額は当初予算額ではなく、最終補正予算額になります。なお、差異は「予算-決算」によって算出されます。

資金収支計算書の区分としてはまず「事業活動による収支」があり次に「施設整備等による収支」、その次に「その他の活動による収支」があります。
それぞれ各段階での収支差額を計算しこれに前期末支払資金残高を加えることで当期末支払資金残高を計算します。

資金収支計算書は社会福祉法人会計に初めて触れる際に最も一般会計との乖離を感じるところかもしれません。
資金収支計算書においては資金の増加を収入、資金の減少を支払として表されます。

社会福祉法人会計では、資金収支計算書を作成するために通常の会計帳簿を作成しながら資金帳簿を作成することになります。
ただ、一般的な経理ソフトにおいては、この資金帳簿については自動で作成されますのでいちいち仕訳を起こす必要はないのですが、資金取引と非資金取引について細かな修正は必要になることもありますので、何が資金取引で何が非資金取引なのかについてはしっかりと認識しておく必要があります。

 資金収支仕訳は以下のようなイメージになります

<収入仕訳> 
 (借方) 支払資金 ××  (貸方) ○○収入 ××

<支出仕訳>
 (借方) ○○支出 ××  (貸方) 支払資金 ××

上記のように、収入が起こった時には支払資金の増加、支出が起こった時には支払資金の減少を認識することになります。

 資金収支計算書における支払資金の範囲

次に資金収支計算書における支払資金の範囲を見ていきます。

資金収支計算書の支払資金とは、経常的な支払準備のために保有する現金及び預貯金、短期間で回収されて現金化される未収金、立替金、有価証券等、仮払金等、短期間で決済される未払金、預り金、短期間のうちに事業活動収入として処理される前受金等の流動負債等をいいます。
ただしここで棚卸資産や引当金等、また1年基準により固定資産や固定負債から振り替えられた流動資産や流動負債は除かれることになります。
つまり支払資金の残高はこれらの流動資産と流動負債の差額ということになります。

おわりに

今回はざっくりと大枠を記載してみましたが具体例や誤りやすい取引についても多くあります。
特に設立直後の社会福祉法人においては各勘定科目の設定や予算の取り方などなじみのない資金収支周りで取り扱いについては難しい点が多いと思います。そのような場合はぜひ税理士法人YFPクレアまでお問い合わせください。

次回は資金収支計算書の取引について具体例を挙げて記載していこうと思います。

社会福祉法人の税務顧問料金表

売上 年間 月額 決算 合計
5,000万円以下 年間0回 15,000 237,600 417,600
年間3回 23,000 237,600 513,600
年間6回 29,800 237,600 595,200
年間12回 33,000 237,600 633,600
1憶以下 年間0回 22,000 316,800 580,800
年間3回 30,000 316,800 676,800
年間6回 35,000 316,800 736,800
年間12回 44,000 316,800 844,800
3憶以下 年間0回 27,500 396,000 726,000
年間3回 45,000 396,000 936,000
年間6回 55,000 396,000 1,056,000
年間12回 70,000 396,000 1,236,000
5憶以下 年間0回 35,000 475,200 895,200
年間3回 55,000 475,200 1,135,200
年間6回 70,000 475,200 1,315,200
年間12回 85,000 475,200 1,495,200
10憶以下 年間0回 55,000 633,600 1,293,600
年間3回 70,000 633,600 1,473,600
年間6回 85,000 633,600 1,653,600
年間12回 95,000 633,600 1,773,600

 

拠点加算(2拠点目以降:月額) 3千万円以下 5,000
5千万円以下 8,000
1億円以下 10,000
3億円以下 15,000

※本部は含まず

オプションメニュー

財務諸表入力シート 
 
※現況報告書はお客様で入力頂きます。
資金収支・損益計算書・貸借対照表・財産目録の入力となります
200,000
記帳代行 2拠点目以降、1拠点 10,000
拠点ごとに100仕訳まで 10,000
拠点ごとに200仕訳まで 20,000
拠点ごとに300仕訳まで 30,000
拠点ごとに400仕訳まで 40,000
拠点ごとに500仕訳まで 50,000
入力指導(お客様入力の場合) 年6・年12訪問の場合、シェルパの訪問以外での入力指導訪問 1回(2~3時間) 20,000
年0・年3訪問の場合 5回からのプランになります 1回(2~3時間) 100,000
会計ソフト貸出 TKC社福DB(案分機能無し) 5,000
FX4クラウド 3ライセンスまで 32,000
FX4クラウド 4ライセンス以降 1ライセンス 2,000
導入費用 300,000
議会・指導監査の同行 4時間 40,000
1日 70,000
経理規定の作成 新規 100000~
変更 10000~
予算書のチェック   30,000~
予算書の会計ソフトへの入力代行 当初予算 1拠点 20,000
補正予算 1拠点 10,000
消費税申告書 簡易 50,000
本則 100,000
年末調整 給与ソフト仕様 1人 1,000
手書き・エクセルで計算 1人 2,000
法定調書 基本料金 50,000
支払調書が10枚以上の場合 11枚目以降1枚 2,000
面談0回・3回プランにつきまして 決算が終わったタイミングで入力頂きました会計の内容の質が宜しく無い場合、
面談ありプラン又は入力指導に変更させて頂きます
 
・各拠点の貸借対照表残高の不一致  
・弊社で入力及び訂正事項が多いもの(30件)  
・弊社の確認後に訂正依頼が多いもの(30件)  

決算書・申告書の、再発行・追加発行:2000円/1冊
データと紙の両方欲しい場合:2000円~3000円

初回相談【無料】

まずはお電話下さい!
フリーダイヤル 0120-700-663

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