飲食業界の「超ホワイト企業」、その経営は一見の価値あり

印象に残った本

 

みなさんこんにちは、監査部新井です。
今回は、最近読んで印象に残った本をご紹介させて頂きたいと思います。

 

 

タイトルは「売上を、減らそう。」である。

京都にある飲食店「佰食屋」を運営する株式会社minittsの経営者、中村朱美氏の著書である。一般的に、過酷な労働環境や長時間勤務が当たり前の飲食業界において「超ホワイト企業」とも称される同社における働き方が大変に興味深い。

「佰食屋」は3つの店舗で従業員はおよそ30名、その全員が月に一度も残業することなく退勤しているという。この点に関し中村氏は、

「飲食店にもなにかインセンティブのような「頑張ったら頑張ったぶんだけ自分に返ってくる仕組み」をつくれないだろうか。そこで決めたのが「1日100食」という上限でした。
1日に販売する数を決めて、「早く売り切ることができたら早く帰れる」となったら、みんな無理なく働けるのではないか」

と語っている。

 

なんと、初めからその日の売り上げに上限を決めてしまうということである。ランチのみで100食売り切ったら店じまい。片付けとまかないを食べて17時台には退社する。このお店で勤務する従業員は皆『時間』という報酬を享受する。まさにタイムイズマネーである。
そして従業員にとって毎日の目標は

「1日100食売ること。そして、そのなかで、来られたお客様を最大限幸せにすること」

だけである。すると従業員たちから価値あるアイデアが生まれるという。たとえば、

「傘の取り間違いを防ぐため、番号を書いた洗濯ばさみを傘につけて目印にするのはどうか」
「店員に声をかけなくても好きなだけお茶を飲めるように、ボトルをさまざまなところに配置したい」
「海外からのお客様は味噌汁を飲む際スプーンを使うようなので、最初からスプーンをお出しするのはどうか」

といったものである。いずれも売り上げや来店者数を増やすという考えではない。お客様を「幸せ」にするため、「愛」をもって接することを追求した結果である。
このような考えは「余裕」をもった働き方ができているからこそ自然と生まれてくるのであろう。

 

中村氏はどうしてこのような会社をつくるに至ったのか。この根底には会社の利益よりも「本当に働きたいと思える会社」をつくりたいという中村氏の思いがある。自身の会社員時代を振り返り、中村氏はこのように綴っている。

「いち会社員として働いて、どんなに頑張って、遅くまで残業して、休日を返上して、大きな成果を得られたとしても、わずかな昇給や手当にとどまり、「頑張った甲斐」を感じられない。自分の時間を奪われ、生活に変化がない。」「上司の一方的な要求や指示に振り回され、「組織の歯車でしかない」と感じながら、自分の思いを押し殺して働いて……「わたしは会社のために生きているわけではない」。そう考えたことが、たびたびありました。」

会社員として働く者にとっては多くの方が共感できる言葉ではないだろうか。私も身につまされる思いがした。しかし、だからこそ従業員にとって働きやすい環境づくりが整っているのだろう。経営者の考えがシンプルでわかりやすいから従業員も同じベクトルを持つことができる。それこそが会社を支える従業員という『資産』を形成しているのだと思う。

 

いかがだったであろうか。この「佰食屋」の働き方とその経営者の考え方にフォーカスした訳であるが、その他にも“原価率50%でも黒字経営の秘訣”や“従業員を採用する際の方針”、“従業員として働く方の声”などが記載されている。
ぜひ一度読んでいただきたい。

 

出典:『売上を、減らそう。たどりついたのは業績至上主義からの解放』中村朱美、ライツ社

 

 

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