1.はじめに
みなさまこんにちは。税理士法人YFPクレアの中村です。
今回は通常生活でも関わっている消費税について事業者としての側面でお話をしたいと思います。
2.消費税の税率
近年5%から8%そして8%から10%へと消費税率が改正により引き上げられてきていることは多くの方がご存じかと思われます。
ただ、この消費税の税率10%(又は軽減税率8%)というのが実は国の税金である国税と地方自治体の税金である地方税との合計であるということはあまり知られていないかもしれません。
具体的な数値で表すと、
10% =7.8% (国税)+2.2% (地方税)
軽8%=6.24%(国税)+1.76%(地方税)
上記のような割合で分かれていることになります。
ただしこれらは消費税の申告書の計算時以外では基本的に区分する必要はございませんので、あまり意識せずともよろしいと存じます。
3.消費税の納税義務者
さて、今度は納税義務者についてご説明いたします。
まず消費税の負担者は誰なのかというところからお話しますと、これは最終的な消費者ということになりますので、日本国内にいる全ての人が基本的には対象となります。
例えば100円の商品を購入した場合には、商品の対価100円に加えて消費税10円を加算した金額を販売店へ支払うこととなります。
そして販売店の立場からみると商品の対価100円を受け取ると共に消費者が負担する消費税10円について預かることとなります。
この預かった消費税10円を国に納付する義務を負うのがこの販売店、すなわち我々事業者ということになります。
消費税の負担者 = 消費者
消費税の納税義務者 = 事業者
この様に、税の負担者と納税者が異なるという性質を持つ消費税のような税のことを「間接税」と言います。
これに対し所得税、法人税などの負担者=納税義務者となる税については「直接税」といいます。
4.消費税の納税義務の免除
3で説明したように、事業者は消費税を負担する消費者から消費税を預かり、これを国へ納付する義務を負う ということになります。
この時、その納税義務が発生している事業者のことを「課税事業者」と言います。
これに対し一定の小規模な事業者については、この納税義務について免除されることとなり、これを「免税事業者」と言います。
この免税事業者の対象となる事業者について個人事業主を前提にご説明すると、「2年前の課税売上高(消費税の計算対象となる売上等)が1,000万円以下(※)である要件に該当する事業者」が対象となります。
「開業して2年間は消費税を納めなくてもよい」という話を聞かれたことがあるかもしれませんが、これは「2年前についてはそもそも開業前のため売上がない」ということから、要件に該当するものと言うことができます。
ただし、一定の相続や課税事業者の選択等、例外的に初年度から課税事業者となる場合もございます。
※2年前が「課税事業者」であれば税抜の金額
2年前が「免税事業者」であれば税込の金額
5.まとめ
〇消費税の税率(2021年11月時点)
10% =7.8% (国税)+2.2% (地方税)
軽8%=6.24%(国税)+1.76%(地方税)
〇消費税の納税義務者
消費税の納税義務者 = 事業者
消費税の負担者である消費者から消費税を預かり、国へ納付する
消費税は間接税である
〇消費税の納税義務の免除
2年前の課税売上高が1,000万円以下であれば、例外を除き納税義務が免除
⇒免税事業者
6.おわりに
長くなりましたので消費税①としてここでいったん区切りたいと思います。
次回以降では消費税の対象となる取引、具体的な納付税額の計算方法、源泉徴収税額との関係などについてお話していきたいと思います。
今後も引き続きお付き合いいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
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投稿者・投稿者チーム紹介

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クリニックや漫画家、芸能人…と様々な業種のお客様を担当するチーム。
好き!応援したい!という純粋な気持ちを仕事につなげて
それぞれ特有の税務の勉強もしています。
チーム全体としては、給与計算が得意。
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