こんにちは、公認会計士の岡﨑です。
今回は社会福祉法人において開示される計算書類のうち、事業活動計算書について解説をします。

社会福祉法人においては営利法人の採用する企業会計基準と名称が異なってはいますがおおよその内容は同じものとなっております。

  • 貸借対照表   :一定時点における財政状態を表す計算書。これは営利法人と同じです
  • 事業活動計算書 :一定期間における経営成績を表示する計算書。これは営利法人において損益計算書とほぼ同じ内容になります
  • 資金収支計算書 :一定期間における支払資金の流入と支出を表示する計算書。これは営利法人においてキャッシュ・フロー計算書とほぼ同じ内容になります。

その他計算書類においては「財産目録」という資産および負債についての明細を開示することになります。

今回は②事業活動計算書について説明をしていきます

社会福祉法人会計基準では、事業活動計算書について「事業活動計算書は、当該会計年度における全ての純資産の増減の内容を明瞭に表示するものでなければならない。」と定義しています。
一般事業会社においてもそうですが、この事業活動状況は現場管理上でも重要視される項目となっています。
事業活動計算書は「当年度決算」を「前年度決算」と比較する形で表示され、前年度との差額が「増減」によって表示されます。

さらに事業活動計算書を細かく見ていくと一般事業会社の損益計算書で営業活動にあたる損益が「サービス活動増減の部」においてサービス活動収益とサービス活動費用の差額をサービス活動増減差額として表示されます。
続いて営業外活動にあたる損益が「サービス活動外増減の部」においてサービス活動外収益とサービス活動外費用の差額をサービス活動外増減差額として表示されます。
その下にはサービス活動増減差額とサービス外活動増減差額を集計した経常増減差額が表示されます。

さらにその下に特別損益計算を計上し、「当期活動増減差額」が表示されます。
特別損益のうち収益に計上されるのは施設整備等に係る寄附金、国庫補助金等の収益、固定資産売却等に係る収益その他の臨時的な収益が挙げられ、費用に計上されるのは基本金の組入額、国庫補助金等特別積立金の積立額、固定資産売却等に係る損失その他の臨時的な損失が挙げられます。
基本金については貸借対照表の説明でも記載していましたが、基本金対象となる寄附金を受け入れた場合はその寄附金を事業活動計算書の特別収益に計上した後、その収益に相当する額を基本金組入額として特別費用に計上します。
この辺りは社会福祉法人特有の処理になっているところです。

とはいえ、計算書類の表示形式的にはここまでは比較的損益計算書に近い形になります。

最後に「繰越活動増減差額の部」といういわゆる繰越利益剰余金の計算表が表示されます。

これを計算することで純資産増減とのリンクが完了します。

繰越活動増減差額の部での計算方法については
 前期繰越活動増減差額+当期活動増減差額+基本金取崩額+その他の積立金取崩額-その他の積立金積立額 = 次期繰越活動増減差額
 となります。

また今回はざっくりと大枠を記載してみましたが、各項目についても細かく検討すべきこともありますので、今回は企業会計との違いについてのみフォーカスを当ててみました。

 特に設立直後の社会福祉法人においては使用できる勘定科目や計上方法、基本金回りの取り扱いについては難しい点が多いと思います。 
そのような場合はぜひ税理士法人YFPクレアまでお問い合わせください。

次回は資金収支計算書について記載していこうと思います。

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投稿者・投稿者チーム紹介

2部3課 社会福祉法人チーム
2部3課 社会福祉法人チーム
社会福祉法人やNPO法人など、特殊会計チーム。
保育園や介護施設などの会計を得意としています。
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