みなさんこんにちは、社会福祉法人向けのコラム担当の岡﨑です。
前回、指導監査について概要を記載しましたが指導監査とは法人の組織運営、事業運営、会計、人事管理その他が法令及び規則に従ったものであるかどうかについて点検を実施するというものになります。
つまり、法人の健康診断のようなものということです。
その点検については各地方自治体によって独自のマニュアルで実施するとばらつきが出てしまうため厚生労働省によって指導監査ガイドラインが設定されています。
指導監査ガイドラインとは所轄庁が「社会福祉法人指導監査実施要領」に基づいて行う一般監査について、その監査の対象とする事項(監査事項)、当該事項の法令及び通知上の根拠、監査事項の適法性に関する判断を行うこととする基準(指摘基準)並びにチェックポイントを確認するために用いる書類(確認書類)を定めるものである、と記載されています。
こちらは厚生労働省のHPにて開示されておりますのでご一読いただければと思います。
(参考)「指導監査ガイドライン」改正後全文 (mhlw.go.jp)
実際の指導監査においてはこの指導監査ガイドライン及び前回指導監査での指摘事項をチェックリスト形式で確認されていきます。
そのため前回指導監査において指摘された事項については十分な準備をして臨まれるのがよろしいかと思います。
ここで、各自治体から公表されている指導監査の結果より特に指摘事項の多かったものをいくつか挙げてみます。
- 役員(理事・監事)・評議員の選任:改選手続を定款に基づいて行っていない、他の理事と特殊関係にある理事の数が、定款で定めた数を超えている
- 理事会・評議員会:理事会や評議員会の開催・議決に必要な出席者数を満たしていない、議事録の不備
- 監事監査:監事監査が十分に機能しておらず決算が間違っている
- 契約:高額な契約について入札を行っていない、契約書の不備
- 現金管理・管理体制:現金残高と帳簿残高を照合していない
- 借入金:理事会の決議を経ることなく借入を実行している
こういった指摘がなされることのないよう、我々税理士をはじめとした会計事務所がチェックすべき事項としては、会計周りの指摘事項をなくすために下記のような業務を行うこととなります。
- 法人が作成する計算書類等の会計基準との整合性点検
- 法人が作成する計算書類等の経理規程との整合性の点検
- 資金収支計算書、事業活動計算書、貸借対照表、注記等の間の関連項目整合性の点検
- 経理体制の現状把握や改善の支援
- 会計帳簿の記帳、証票書類の整理方法の現状把握と改善指導
- 会計システム導入の支援
こういった指導内容を通じて指導監査において指摘事項がなくなるよう支援をしていくこととなります。
次回は実際の導入支援状況について「初めての社会福祉法人での経理業務支援」を実体験も交えて見ていくものとします。
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