みなさんこんにちは、税理士法人YFPクレアの長谷川です。
前回に引き続き、会社を設立する際のお話をさせていただきます。

株式会社を設立する際に「資本金」を決める必要があります。
社長と出資者が同一人物であれば特に気にする必要はないのですが、社長と出資者が別である場合や、他に出資者がいる場合は注意が必要な点があります。
今回はその持株比率(議決権比率)についてお話しをさせて頂きます。

出資者には権利がある

資本金を決める際に1株の価格(株数)を決めるのですが、その株の持ち株の比率によって権利が変わります。
(例:資本金が1000万円で1株1万円の場合、全部で1000株あることになり、その1000株のうち200株をAさんが持っている場合は、Aさんの持株比率は20%になります。)
  

持株の比率所有する権利の内容
1%以上議案提案権(※1)がある
3%以上経営資料を閲覧する為の請求をする権利がある
33.4%以上特別議決を単独で阻止できる権利がある
51%以上株主総会の普通決議を単独で決議を通すことができる
66.7%以上株主総会の普通決議だけではなく特別決議を単独で決議を通すことができる
90%以上スクイーズアウト(※2)ができる
100%全て自分だけ(単独)で決めることができる

※1:株主総会に議案(方針や経営について)を提案できる権利のこと
※2:少数株主などから強制的に株を売り渡すように請求できる権利のこと

普通決議と特別決議の決議事項

普通決議

株主総会の一般的な決議方法が「普通決議」です。
普通決議で議案を承認させるには、先ずは株主総会をするのに全議決権の過半数が出席して、出席株主の議決権の過半数の賛成数が必要になります。

また、主な決議事項は下記になります。

・役員の報酬
・余剰金の配当
・役員の選任・解任  など

特別決議

普通決議に比べ出席数と賛成数の条件が厳しくなっております。
特別決議で議案を承認させるには、先ずは株主総会をするのに全議決権の過半数が出席して、出席株主の議決権の2/3以上の賛成数が必要になります。

また、主な決議事項は下記になります。

・定款の変更
・事業譲渡等、解散
・組織変更、合併、会社分割、株式交換   など

まとめ

殆どのお客様は持株比率を考えなくても良い場合が多いですが、複数人で株式会社で設立された場合に、役員報酬や余剰金の配当、組織変更などの意見の不一致で辞められるお客様を稀にみます。
意思決定を円滑に進める為には持株比率が66.7%以上になるようにしてください。
持株比率が66.7%下回る場合は自分の意志だけでは円滑に進めることが難しくなる可能性があるので、信頼関係を疎かにしない様に気を付けてください。

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