チュートリアル徳井から学ぶ、脱税、申告漏れ、所得隠し

こんにちは、税理士法人YFPクレア 営業部の越尾です。

昔々、まだスマートフォンもなかったころ、20代半ばだった私の正社員を辞めて派遣社員に切り替えたころの話…人生初の「住民税の納付書」が届き、これは新手の詐欺だと思い込んで速攻捨てました。

のちに、笑い話として「こんなの来たんだよ!」と親に話したら、全然笑い話ではなく払わねばならなかったものと知った時は既に納付書は焼却炉。
その後、督促の納付書を持って銀行に行って納付しようにも、住民税だけでこんなに大金になるとは思っていませんでした。

こんなズッシリ重たいものをこれから私は払わねばならないのか…頑張って稼いだお金のうち、一体どれほどのお金を自分のために使えるのか…と銀行の席に座りながら涙を流し、銀行の窓口で
「お金が!!手が離れないんです!!!」と銀行の窓口のお姉さんとショートコントをしてしまったことを覚えています。お姉さんは「心中お察しします!!」と言ってくださいました。このへん、さすが大阪です。

さて、そんな苦い経験もあるので、納税者の心の痛みは痛いほどよくわかる私ですが、チュートリアル徳井さんのお話を聞いていると、上には上がいた!!と、思ってしまいました。

さて、一般市民の間では脱税だ!とか悪質だ!どうでもいい!と言われている本件ですが、一般的にも勉強になる題材だと思うので、徳井さんには申し訳ありませんが、題材にさせて頂きます。

脱税と申告漏れと所得隠しとは

まず、この用語の意味をしっかり理解しておかなければ本件について正しく理解はできません。

税法は各国によって異なっており、犯罪になるかならないかも国によって異なります。ここでは日本の税法でご説明します。

脱税とは

脱税は「偽りその他不正な行為」により納税を免れる行為のことを指します。

元々は、売上をごまかしたりする不正を行い、課税額を少なくした申告書を提出することが脱税手法のメインでしたが、最近では国際化とインターネットの普及により、申告しないといけない所得をごまかす無申告が増えてきたため、平成23年度の税制改正により、確定申告を期限までに行わず、所得税を逃れたものは5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金(もしくはその両方)を科されることになりました。

申告漏れとは

申告漏れはこんなケースが当てはまります。

● 計算間違いによって所得が過少になっていた
● 税法の解釈を誤っていた
● 所得を得ていること自体を知らなかった
● 申告手続きが遅れてしまった
● 申告しないといけない所得ということを知らずに放置してしまっていた

人間だれしも「ウッカリ」や「勘違い」はあるもの…国税庁は寛大な心で、意図的に隠したわけではないならば、所得隠しではなく申告漏れとして扱われます。
申告漏れの場合、過少申告加算税、無申告加算税、延滞税が課されます。

所得隠しとは

所得隠しとは、わざと税金を減らす行為を言い、こんなケースが当てはまります。

● 売上の隠蔽行為
● 架空経費、架空人件費の計上

これらは申告漏れの「うっかり」とは異なり、悪意があります。
しかし、本人が「ウッカリでした!」と言っているならば、税務調査官はウッカリではなく、故意であった証拠を見つけなければならず、その時間や労力もかかります。さらに裁判になれば証拠がない場合は税務署側が敗訴する可能性が高いため「申告漏れ」として扱うことが多いとか…

所得隠しの場合、過少申告加算税、無申告加算税、延滞税にさらに重加算税+延滞税が課税され、大体本来支払う税金の50%くらいになります。

脱税とは

やっている行為は所得隠しと一緒ですが、悪質行為として刑罰を科すために検察庁に告発されているものを指します。1億円以上支払うべきぜいきんを申告しなかった場合、脱税として扱われているようです。

脱税は犯罪行為なので、時効も存在します。
税金の消滅時効は、税金の申告の有無や故意によって3年・5年・7年と長さが異なり、判断するのは税務署です。

チュートリアル徳井さんの申告状況について

吉本興業が10月26日にホームページにて記載していますが、イマイチわかりにくいので、まとめてみました。

法人の申告状況

チュートリアルの徳井さんのギャラはすべて「株式会社チューリップ」(以下:チューリップ社)に支払われており、役員は徳井さん一名とのこと。チューリップ社の決算は3月。

時期 誰が 何をした
2009年 徳井さん チューリップ社設立
2010年3月~
2012年3月(3期分)
税務署

無申告を指摘(1~3期目)

2012年6月25日 チューリップ社 期限後申告(3年分)
2013年3月~
2015年3月(3期分)
税務署 無申告を指摘(4~6期目)
2015年7月23日 チューリップ社 期限後申告(3年分)
2016年5月 税務署

銀行口座の差し押え

再三の督促にも関わらず、2012年に申告分の納付していなかったため

2018年9月 国税局 税務調査
●7~9期目の無申告分を申告するように
●3~6期目の旅費、衣服代の一部が否認
税務調査の指摘は全面的に従う
2018年12月 チューリップ社 ●7~9期目の期限後申告
●3~6期目の修正申告
2019年3~5月 チューリップ社 期限内に申告

設立10年目にして、初めて期限内に申告ができるという奇跡!!

税務時効ギリギリの7年間分の税務調査が入っています。

 

個人(所得税)の申告状況

時期 誰が 何をした
2015年7月23日 徳井さん 期限後申告(3年分)
2012年~2014年分
2018年11月 徳井さん

期限後申告(3年分)
2015年~2017年分

どちらも税務署からの指摘を受けて申告しています。

所得税が未納だった…ということは、確定申告から計算されるであろう住民税も払っていなかったのではないかと思われます。

こうなると、消費税くらいしかちゃんと払っていなかったのではないか?と思ったのですが、消費税も申告してないからだめか(笑)

また、法人になったら会社で社会保険に入る義務がありますが、それもスルーして、社会保険料も支払っていませんでした。ってことは、年金も払っていないでしょう。

 

会見で言ってることと事実が異なる。納税の意思が感じられない・・・

会見では「今まではちゃんと申告していたのか?」という質問に対し
「税務署から3年間、申告がないと叱られた」「ルーズだった」と、自身の認識の甘さと話した徳井さんですが、実際こうやってみると税金は踏み倒せ!と言わんばかりです。

しかし、芸能人。
さすが、おっかけている人はちゃんといるのですね。

2004年8月のラジオ番組でドバイへの移住を話していました。
ドバイは言わずと知れたタックスヘイブン。「税金というものが一切ないんよ。法人税、所得税、消費税、何にもいらんのよ」とタックスヘイブンの利点についてを語っていました。

意外と知ってるやんけ・・・

税金を払いたくない、と公言していて、さらに、無申告を繰り返し、納付期限も守らない。
って、ただ単に、納税したくなかっただけじゃん!!

って話でした。

それでも脱税にはならない?

今回の件は7年間分で1億2000万円の申告漏れでした。

内訳として、法人税3,700万円、源泉所得税4,400万円、消費税2,100万円とのこと。
この金額には、否認された2,000万円分に対する重加算税180万円、無申告加算税510万円が含まれているとのこと。

一般市民の感覚としては巨額ですが、脱税として検察に告発されている他の事件を見てみると1桁少ない…。7年間分、しかも国税局の税務調査が入っていることを考えると十分悪質として扱われていることは分かります。ただ、無申告はすぐに分かるので、「悪質ではあるけど、悪意はない(ただアホでズボラなだけ)」という認識を国税局はしたのではないかな?と推察しています。

弊社も税務調査は入りますが、通常は3年。7年の税務調査や国税局の税務調査は未体験!
映画やドラマとの違いや、3年間分の税務調査との違いについては大変興味があるのですが、そんな恐怖体験、したくないのでやっぱり御免ですね。

重加算税と無申告加算税を合わせて690万円になり、大金ではありますが、1億2000万円もあればウマイ投資があったらそのくらい元とれるな…と思うと、なんてスウィートな罰金なのでしょう…と思いました。

また、自身のことを「ルーズだ怠慢だ…」と、言っていますが、パスポートの申請や海外旅行、2億円のマンションの購入は問題なくできているようなので、楽しむための面倒な手続きは出来るのに、資料を税理士に送ることができなかったのは、ルーズはルーズでも訳ありルーズって感じですよね。

この記事を読んで頂いている皆様!
税理士法人YFPクレアの確定申告は必要な資料を送るだけですよ!面倒な手続きは一切なし!
パスポートの申請や海外旅行よりもカンタンですからご安心ください!

また、社会保険の手続きも、弊社で代行を行っております。
25,000円くらい。高いと感じるか、安いと感じるかは人にもよるかと思いますが、これで面倒な手続きから解放され、ちゃんと手続きしてもらえる!ってことでメリットを感じて頂けるかと思います。

 

源泉徴収をされてることで守られている

サラリーマンなど、会社に勤めている人は所得税は源泉徴収されています。

住民税についてもできるだけ特別徴収をするように税務署は訴えており、住民税の特別徴収もふえています。支払われている額に対し、手取りが少なくて涙がこぼれるときもあるものの、源泉徴収をちゃんとしてもらっていることによって、私は申告漏れしないんだな…と仕組みでカバーされていることに安堵しました(笑)

 

犯罪者にはならなかったけど、イメージは悪くなった。

チュートリアルの徳井さん。
割と面白かったしイケメンだし結構好きな芸人さんではあったのですが、今回のイメージでルーズとか言うより、税金を払いたくないだけのケチな人っていうイメージが付きました。

1億2000万円も払えるなら、最初からちゃんと払っていたら面白い芸人のままでいられたのに…。
と、残念でなりません。

私も必要以上に税金は払いたくないと思っていますが、ある時から「強制的な寄付」と思うようになってからは別にいいや!と思えるようになりました。
安全に道を歩けるのも、水道水が飲めるのも、スイッチを入れたら電気がつくのも、子供が産めて学校に通えるのも、税金があり、その再配分をしてるから…ということに気づけば払うのは当然だと思うからです。

自分ひとりで生きてるわけじゃない。
私が歩んできた道には、税金はいっぱい使われてきていました。

それを徳井さんには早めに気付いてほしかったです。

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