こんにちは、監査部佐藤です。
以前から、複数回にわたって創業前に確認すべきこと、知っておくべきことについてお話してきました。
今回のテーマは「スタッフ問題 ~最も経営者-スタッフ間にギャップのある業種かもしれない~」です。

動物病院の院長先生とのお付き合いを始めて気づいたことは、スタッフの悩みの相談の多さです。
今のところ、スタッフの悩みを相談されなかった先生は1人もいません。

私はこれまで、それなりに様々な業種のお客様とお付き合いしてきましたが、動物病院の“スタッフ悩み相談率”の高さは群を抜いているように思います。
何が他業種と違うのかと考えてみました。
あくまでも私の仮説として聞いて下さい。

ほとんどの業種は、経営者とスタッフは、だいたい同じような家庭、学歴、学力、仲間が背景にあり、結果、根本にある価値観や世界観がそれなりに近いように思います。
建設業でも、小売業でも、飲食業でもそうです。
我々、税理士業も同じです。

動物病院はどうでしょうか。
ここが大きく違います。

難関の獣医学部に合格し、卒業、国家試験にも合格。
子供の頃から勉強は得意、そして比較的裕福な家庭で育った方が多いように思います。
動物看護師やトリマーであるスタッフさんは、先生たちとはまた違うキャリアを歩んできた方たちです。

もちろん多くの例外はあります。大まかな傾向の話です。
スタッフ問題について多く相談をもらいながらも、これで解決!という処方箋を出せたことは一度もありません。
しかし、せめて、この点は意識しておいた方が良いですよ、と思うことお伝えしておきます。

“スタッフ達は、自分とはまるで違う景色を見て育ってきた人間なんだ”

と。なので、
分かり合えなくて当たり前。
自分と同じように出来なくて当たり前。
逆に、先生が苦手なことを、スタッフさんがあっさり出来てしまうことだってあるんじゃないでしょうか。

上とか下とか、優劣の話ではありません。
違いの話です。
お互いの違いを認識したうえで、お互いの強みをもって支え合う。
これを目指してはいかがでしょうか。

そして、この経営者-スタッフ間に大きな差異があることは、なにも悪いことばかりではありません。
うまくいけば、ごく自然な敬意をスタッフさんは先生に抱くことになります。

処方箋を出せない代わりに書籍をオススメします。

「頑固な羊の動かし方」ケヴィン・レーマン/ウィリアム・ペンタック(草思社)

良い本です。
是非お目通し下さい。

次回は
(9)エンディングをイメージする ~老後を見据える 退職金は長期間で準備する~
についてお話します。

話してほしいテーマ、個別の相談があればお気軽にお問い合わせください。
次回もお楽しみにお待ちください。

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四谷監査3部 動物病院チーム
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フランチャイズとは全く関係ないが、動物好きが集まっていることから動物病院の税務にも力を入れている。税務を通して動物愛護中。
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