みなさまこんにちは。税理士法人YFPクレアの村上です。
このコラムでは医療法人についてご説明していきたいと思います。
皆様の今後の経営について、少しでもお役に立てれば幸いです。

これまで医療法人についていろいろお話させていただきました。
今回が医療コラムの最終回となります。
そこで、今回は実際に法人化するとなった場合、医療法人化の流れと手続きについてお話させていただきます。

医療法人設立の流れ

医療法人を設立するには都道府県知事の認可が必要で、それぞれの自治体のスケジュールに沿って手続きを進めていきます。

しかし、まず何を置いても大事なことは、「医療法人設立のタイミングは年に2回しかない」ということです‼‼

書類等の不備で希望のタイミング法人化できない場合も考えられます。
設立の流れと必要な手続きの内容をしっかりと把握しておくことが非常に重要です。
自治体によって多少異なりますが、以下が東京都の設立の流れとなります。

東京都で医療法人を設立する場合のおおまかな流れ

  1. 医療法人設立の手引きの入手   
    → 各自治体のものを入手。
  2. 社員・理事・監事の決定   
    ※監事は理事・理事の6親等以内の親族、法人の利害関係者は就任できません。
  3. 定款等の作成  
    → 医療法人の組織や運営等に関する基本事項を定めたもの。
    ※各自治体がサンプルを用意している場合が多いので、それらを参考に作成。
  4. 設立総会の開催 
    → 決議事項・内容を議事録に残し「設立総会議事録」として認可申請書に添付
  5. 設立認可申請書の作成、提出(仮申請) 
    → 各自治体の様式に沿って作成。他必要書類と合わせて期日厳守にて提出
  6. 設立認可申請書の審査・補正指示 
    → 審査に3ヶ月程度。内容に著しい不備がある場合は申請が取り下げられる可能性もあります。
      保健所などの関係機関への照会・実地調査・代表者面接もこの期間に実施。
  7. 本申請書類の提出 
    → 本申請の許可がおりたら、実印にて押印、正/副提出。
    ※この書類は役員・社員・金融機関・テナントの貸主・リース契約先等、押印ヵ所があるので事前連絡しておくとスムーズです。
  8. 設立認可書の交付 
    → 審議が終わると、「設立認可書」が交付。二週間以内に法務局で設立登記申請。
  9. 開設・廃止届 
    → 管轄の保健所に診療所の「開設許可申請」提出。保健所の許可が下りないと診療が開始できません。 
  10. 保健医療機関指定申請 
    → 地方厚生局に申請。保険医療機関の指定を受けないと、保険診療報酬の請求ができません。
  11. その他の届け出 
    → 税務署・労働保険・社会保険関連手続き

ざっくりとした手続きの流れですが、これだけの手続・申請があります。
通常の会社の設立は1~2週間でできますが、医療法人の設立は7~10ヶ月程度かかります。
本来業務の診療等の他に、これらの煩雑な事務手続きをこなすのは至難の業です。

確実に希望のタイミングで医療法人化するためには、専門家や手続代行会社に相談することをお勧めします。

税理士法人YFPクレアには法人個人問わず、医業に特化した担当者が多く在籍しております。
また、専門家のご紹介等もさせていただいておりますので、気になることがありましたらお問い合わせいただけましたら幸いです。

医療コラムも今回が最後となりました。少しでもみなさまの経営のお役に立てたならば幸いでございます。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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投稿者・投稿者チーム紹介

四谷監査2部1課
四谷監査2部1課医療・社会福祉系チーム
クリニックに強い!クリニック担当者が勢揃いしたクリニックチームです。
個人のクリニック、歯科クリニックの税務はもちろん、医療法人や法人設立、開業コンサルティングも行っております。
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