この記事は2023年10月に書かれたものです。

みなさまこんにちは。税理士法人YFPクレアの村上です。
このコラムでは医療法人についてご説明していきたいと思います。
皆様の今後の経営について、少しでもお役に立てれば幸いです。

前回のコラムで、医療法人化することによって、メリット・デメリットがあるとお話させていただきました。
そこで、メリットをより享受するためには、医療法人化するにはどのタイミングで法人化するのが良いのかをお話しさせていただきます。

医療法人化におすすめのタイミング

年間の課税所得が1,800万円を超える

最初の目安は、年間の課税される所得(課税所得)が1,800万円を超えたタイミングです。
個人の場合、1,800万円を超えると所得に応じて、税率が40%~45%になってしまいます。住民税等と合わせると約55 %ほどの税率です。

一方、法人の場合、出資金一億円以下の法人の場合は15%~23.2%、法人事業税等を加味した実効税率(実質的な税金負担率)は約30%程度となります。(※コラム⑦ 医療法人化するメリット1 参照)

税金を抑えたいと考えている場合は、年間1,800万円を超える時期を目安に法人化するのが効果的なタイミングと言えます。

社会保険診療報酬が5,000万円を超える
もしくは、社会保険診療報酬と自由診療報酬を合わせて7,000万円を超える

社会保険診療報酬が5,000万円を超えた場合、もしくは、社会保険診療報酬+自由診療報酬を合わせた報酬が7,000万円を超えた場合、「概算経費」が利用できなくなります。
※概算経費…開業医に認められている特例措置。実際に使った経費ではなく、社会保険診療報酬に係る費用を必要経費とすることができる制度。

概算経費と実際の経費に差があった場合、概算経費が適用できなくなったタイミングで税金が増えてしまう可能性が考えられますので、法人化を検討するタイミングの1つと言えます。

事業拡大を検討している

個人の開業医と医療法人では開設できる施設や参入できる事業の範囲が違ってきます。
(※コラム⑧ 医療法人化するメリット2 参照)

個人では施設は1つしか展開できませんが、医療法人では分院の設立・介護施設の展開も可能となります。
事業拡大を検討しているならば法人化するタイミングの1つとなります。

医療機器の償却期間が終わる「開業7年目」

開業時に導入した医療機器は償却期間が6年目までとされています。つまり、7年目からは経費計上することができなくなってしまいます。
医療機器の償却期間外になり減価償却を利用できなくなると、その分経費が減ってしまうということです。
ですので、このタイミングで法人化を検討するのもアリです。

事業承継を検討している場合、法人化を検討するタイミングの一つです。

事業承継を検討している

例えば、自分の子供に病院を継いでもらいたい場合、個人ですと多額の相続税がかかってきます。
しかし、【持分のない医療法人】であれば原則として相続税はかからず、理事長変更するだけで事業承継が可能となります。
※法改正により、平成19年4月1日以降設立の医療法人はすべて【持分のない医療法人】となります。(※コラム③ 社団の持分について 参照)

医療法人化するタイミングはとても重要な部分になってきます。
専門家等に相談することが、タイミングの見極めをするにあたって参考になると思います。

おわりに

今回は個人クリニック等から医療法人にするタイミングを場合分けでお伝えしました。
上記以外で法人化することはできない、ということではなく、あくまでも法人化の際の目安としてお考え下さい。

税理士法人YFPクレアには法人個人問わず、医業に特化した担当者が多く在籍しておりますので、気になることがありましたらお問い合わせいただけましたら幸いです。

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投稿者・投稿者チーム紹介

四谷監査2部1課
四谷監査2部1課医療・社会福祉系チーム
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