3秒でわかる結論!

法人口座の開設では、「必要書類」「事業内容の説明」「金融機関選び」の3つがポイント
入出金の予定から逆算して、早めに準備を始めましょう。

会社の登記も終わったし、次は銀行口座を作ろう!

ところが、いざ申し込もうとすると、登記事項証明書や事業内容を確認できる資料など、準備するものが意外とたくさん…

この記事では、法人口座の開設方法をはじめ、必要書類審査で確認されるポイント申し込みから開設までの流れをわかりやすく解説します。

読み終えるころには、口座開設に向けて何を準備し、どのように進めればよいかがわかるはず!

法人口座の開設前に知っておきたい基礎知識と必要書類

法人口座とは?個人口座との違い

法人口座とは、株式会社や合同会社などの法人名義で開設する銀行口座のこと

個人口座が個人のお金を管理するためのものであるのに対し、法人口座は会社の売上や経費、取引先への支払いなど、事業に関するお金を管理するために使用します

例えば…

会社の売上が代表者個人の口座に振り込まれ、その口座から生活費や事業の経費も支払っていると、どのお金が会社のものなのか分かりにくくなってしまいますよね。

法人口座を利用すれば、会社のお金だけの入出金が見えるため、残高や支払い予定を把握しやすくなります。

なお、会社を設立したからといって、自動的に法人口座が作られるわけではありません。金融機関への申し込みと審査が必要です

参考:金融庁「法人口座開設に係る取引時確認について」

また、法人口座がないことだけを理由に、直ちに会社の設立や事業活動ができなくなるわけではありませんが、取引先から法人名義の口座を求められることもあるため、早めに準備しておくと安心です!

法人口座を開設するメリットと必要になるタイミング

法人口座を開設する主なメリットは、次のとおり

  • 会社と個人のお金を分けられる:売上や経費の動きを把握しやすい
  • 経理業務を進めやすくなる:会計ソフトとの連携や入出金の確認がしやすい
  • 取引先との支払い・入金に利用できる:法人名義の口座を案内し、会社として取引を進めやすい
  • 資金繰りを把握しやすい:会社にいくら資金があるのかを確認しやすい

特に、会社設立後すぐに売上の入金や経費の支払いが発生する場合は、口座開設を早めに進めたいところ。

「まだ売上がないから、口座は後でいいかな」と思う方もいるかもしれません。
しかし、開設には審査があり、申し込んだその日に使えるとは限りません。取引先への請求や支払いの予定から逆算して、余裕を持って申し込むことが大切です。

法人口座の開設に必要な書類一覧

法人口座の開設に必要な書類は、金融機関や法人の種類、申し込み方法によって異なります

書類・資料主な内容・用途
登記事項証明書(履歴事項全部証明書など)会社名、本店所在地、代表者などの
登記情報を確認するため。
法人の印鑑証明書法人の印鑑や登記情報を確認するため。
金融機関によって必要な場合があります
代表者の本人確認書類運転免許証、マイナンバーカードなど。
事業内容を確認できる資料会社案内、Webサイト、契約書、請求書など。
会社を実質的に所有・支配する人に関する情報会社を実質的に所有・支配している個人などを
確認するため。
法人番号や本店所在地などの情報申し込みフォームや確認書類で使用する情報。

このほか取引担当者が代表者以外の場合は、委任状担当者の本人確認書類、業種によっては許認可証などを求められることも。

法人口座を作るには、必ず法人印が必要なの?

最近では、印鑑の届け出が不要な口座や、オンラインで申し込みが完結する金融機関もあります。ただし、手続きの方法によって必要な書類は変わるため、申し込み先の公式サイトで最新の案内を確認しましょう

また、登記事項証明書や印鑑証明書には、発行から一定期間以内の書類を求める銀行もあります。取得する前に、有効期間や原本・コピーの指定を確認して、取り直しを防ぎましょう。

参考:法務省「登記事項証明書及び印鑑証明書の請求先について」

設立直後の会社が準備しておきたい事業内容の資料

設立したばかりの会社では、「まだ決算書もないし、売上もほとんどないけれど、口座を作れるの?」と不安になることもありますよね。

金融機関は、会社がどのような事業を行っているのか、どのような取引を予定しているのかを確認します。そのため、設立直後で実績が少ない場合でも、事業の内容や計画を説明できる資料が役立つ!

資料の例確認できる内容
会社のWebサイト・会社案内事業内容、サービス、所在地、問い合わせ先など
事業計画書今後の事業内容、売上の見込み、取引の予定など
取引先との契約書・発注書実際の取引内容や取引先との関係
請求書・見積書提供する商品・サービスや取引金額
許認可証許認可が必要な事業を行うための資格や登録

すべての資料を必ず提出するというわけではありません。金融機関から求められた際に、事業内容を具体的に説明できる状態にしておくことが大切です。

例えば…

Webサイトがまだ完成していなくても、事業計画書や取引先との契約書などで事業の実態を説明できる場合があります。反対に、Webサイトがあるだけで必ず審査に通るわけではありません。

何を売っている会社なのか」
誰にサービスを提供するのか」
どのような入出金が発生するのか」

を、初めて見る人にも伝わるように整理しておきましょう

法人口座の審査では何を見られる?開設までの流れ

法人口座の審査で確認される主なポイント

法人口座を申し込むと、金融機関による審査が行われます

これは、不正利用などを防ぐためです。そのため、会社や取引の実態などが確認されます。
審査基準は金融機関ごとに異なり、一般的には次の点が確認されます。

一般的な審査基準

1.会社の基本情報
会社名、本店所在地、設立年月日、代表者、法人番号など、申し込み内容と登記情報が一致しているか

2.事業内容と実態
どのような商品やサービスを提供しているのか、実際に事業を行っているか、どのような取引が予定されているか

3.口座の利用目的
売上の受け取り、仕入代金の支払い、給与の振り込みなど、口座をどのような目的で利用するのか

4.代表者や実質的支配者の情報
代表者の本人確認に加え、会社を実質的に所有・支配している個人などについて確認

金融機関によっては、追加資料の提出電話・オンライン面談などで事業内容の説明を求められる場合もあります。質問された際に、具体的かつ正確に回答できるよう準備しておくとよいでしょう。

参考:金融庁「法人口座開設に係る取引時確認について」

法人口座の審査に通らない場合に考えられる原因

設立したばかりの会社は、審査に通りにくいの?

設立直後であることだけで、必ず審査に通らないわけではありません。ただし、事業の実態や取引内容を確認するための情報が不足している場合などは、追加確認が必要になったり、審査結果に影響する可能性も

  • 申し込み内容と提出書類の情報に相違がある
  • 必要書類が不足している、または有効期間を過ぎている
  • 事業内容や取引の目的を十分に確認できない
  • 事業の実態を示す資料が不足している
  • 金融機関が定める口座開設条件を満たしていない

ただし、審査に通らなかった理由が必ず開示されるとは限らず、特定の原因を決めつけることはできません。

もし審査に通らなかった場合は、まず提出書類や申し込み内容に不備がないか確認しましょう。そのうえで、事業内容を説明する資料を整理し、別の金融機関への申し込みを検討する方法もあります

審査に通らなかったからといって、直ちに会社そのものに問題があるとは限りません。金融機関ごとに審査方針や取扱条件が異なるため、必要に応じて申し込み先を見直すことも選択肢のひとつです。

「バーチャルオフィスだと口座開設は難しい?」

最近は、バーチャルオフィスを利用して会社を設立するケースも増えていますよね。

実際に、本店所在地をバーチャルオフィスにしていたが、法人口座の審査に通らなかったケースも…!ただ、そのあと別の金融機関へ申し込んだところ、無事に開設できることもあります!

もちろん、審査に通らなかった理由がバーチャルオフィスだと断定できるわけではありませんし、バーチャルオフィスだから必ず審査に落ちるということでもありません。

これからバーチャルオフィスを利用して法人化する方は、口座開設のことも含めて早めに準備しておくと安心です!

法人口座の開設方法|申し込みから利用開始までの5ステップ

法人口座の開設は、一般的に次のような流れで進みます。

金融機関を選ぶ

店舗型銀行、ネット銀行、信用金庫などから、自社の取引や利用目的に合う金融機関を比較します。

STEP
1

必要書類と事業資料を準備する

公式サイトで必要書類を確認し、登記事項証明書や本人確認書類、事業内容を説明できる資料などを用意します。

STEP
2

申し込み・書類提出

Webフォームや店舗窓口など、金融機関が指定する方法で申し込みます。
入力内容と提出書類の情報が一致しているか確認しましょう。

STEP
3

金融機関による審査

会社や事業の実態、口座の利用目的などが確認されます。
必要に応じて追加資料の提出や面談が行われる場合があります。

STEP
4

口座開設・利用開始

審査が完了すると、口座番号の案内やインターネットバンキングの設定などが行われます。
利用開始日やキャッシュカード等の受け取り方法を確認しましょう。

STEP
5

特に注意したいのが、申し込み後に追加資料を求められるケースです。すぐに対応できるよう、提出した書類の控えや事業資料をまとめておくと安心。

また、口座が開設されたら、取引先への振込先の案内や会計ソフトへの登録なども忘れずに進めましょう。

法人口座の開設にかかる期間と費用

法人口座の開設期間は、金融機関によって異なります。数日程度で開設できる場合もあれば、2週間〜1ヵ月程度、またはそれ以上かかることもあります。

申し込み方法や追加確認の有無によっても変わるため、利用したい金融機関の最新情報を確認しましょう

費用についても、口座開設自体は無料としている金融機関がある一方、口座維持手数料やインターネットバンキングの月額料金、振込手数料などが発生する場合があります。

費用の種類確認しておきたいこと
口座開設手数料開設時に費用がかかるか
口座維持手数料毎月または毎年の費用があるか
振込手数料同行宛・他行宛、それぞれいくらか
インターネットバンキング利用料月額料金や利用条件
各種証明書・カード発行手数料必要に応じて発生する費用

「開設無料だから、ここにしよう!」と決める前に、実際に使い始めてからの費用も含めて比較するとよいでしょう。

法人口座を選ぶときに比較したいポイント

法人口座は、金融機関によってサービスや手数料が異なります。会社の規模や事業内容、取引先との関係に合わせて選ぶことが大切です。

比較ポイント確認する内容
振込手数料取引先への支払いが多い場合、コストに影響する
インターネットバンキング利用料、操作性、振込限度額など
会計ソフトとの連携利用している会計ソフトと連携できるか
店舗・ATMの利便性現金の入出金や窓口での手続きが必要か
融資や経営相談将来的な資金調達の相談ができるか
口座開設までの期間事業開始や入金予定に間に合うか

例えば…

振り込みやオンラインでの取引が中心の会社であれば、手数料やインターネットバンキングの使いやすさを重視する方法があります。

一方、現金の取り扱いが多い会社や地域の金融機関との関係を大切にしたい場合は、店舗やATMの利便性も重要です。

また、口座は必ずしも1つに限定する必要はありません。

事業が成長して取引が増えた際には、用途に応じて複数の金融機関を使い分けることも考えられます。ただし、口座が増えるほど管理の手間も増えるため、まずは自社に必要な機能を整理して選びましょう。

まとめ|3つのポイントを押さえて法人口座の開設準備を進めよう

金融機関によって必要書類や審査の進め方、手数料などは異なります。申し込み先の公式サイトを確認し、取引先への請求や支払い予定から逆算して、余裕を持って進めることが大切

法人口座開設チェックリスト

  • 口座を利用する目的を整理した
  • 自社に合う金融機関を比較した
  • 必要書類と有効期間を公式サイトで確認した
  • 登記事項証明書や本人確認書類などを準備した
  • 事業内容を説明できる資料を整理した
  • 取引先や入出金の予定を説明できる
  • 開設までの期間と手数料を確認した
  • 開設後の経理や会計ソフトとの連携を確認した

法人口座の開設について「自社の場合はこれで大丈夫?」と不安が残る方は、税理士法人YFPクレアへお気軽にご相談ください

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