みなさん、こんにちは。古川です。
今回からネットビジネスのコラムについて発信していきます。

さて、今回は「ネットビジネスで経費計上できるもの」についてご説明させていただきます。

経費にできるかの判断基準

所得税法上、事業所得の計算上経費に算入できるのは売上原価のほか、総収入金額を得るために直接要した費用の額及び販売費、一般管理費その他、事業所得を生ずべき業務について生じた費用です(所得税法第37条第1項)。

ネットビジネスに関わる課税所得は
収入ー経費ー控除
により決まります。つまり、経費を計上すれば課税所得を減らすことができるわけです。

経費の可否の判定は、以下のとおりです。
「やっている仕事や事業に関係があるかどうか」

自分のやっている事業のために使ったお金は、基本的に経費として計上できます。
収入を得るためにかかった費用といっても多岐に渡りますが、直接的にでも間接的にでも、つまり、『売上を得るために使った費用』なら全て必要経費として申告できます。
何が必要経費に該当するかについては、事業の実態により異なります。

ネットビジネスとその他の用途に使用する部分のある支出については、使用実態に即して、必要経費に計上する割合・金額を判断しなければなりません。ご自身の事業に関係があれば、それは経費です。

アフィリエイターやネットビジネス事業者によくある経費

次のような経費は、全額が必要経費として認められます。

PPC広告の広告代
 (AdWordsなど)

事業に必要でしたら、全額経費です。

WordPressの有料テーマ代

事業に必要でしたら、全額経費です。

教材代・コンテンツ購入代

自身の事業に関連する教材代やコンテンツ購入代は全額経費になります。

打ち合わせに使ったカフェ代

飲み物代・食事代含め全額が経費になります。

ネット事業関連の書籍

自身のWebサイトのテーマに関連する書籍はもちろん、自身でWebサイトを運営する場合には、これらに関する書籍の支出は経費になります。

交際費

社外の会議やミーティングで飲食や会議室を使用した場合は、交際費として経費計上できます。また取引先の冠婚葬祭にかかる費用も交際費です。

懇親会の飲み代

仕事関連の懇親会に参加した際の参加費・食事代などは全額が経費になります。懇親会参加費の領収書はもらうようにしましょう。

作業のために1人で行ったカフェの代金

飲み物代は全額経費になりますが、食事代は通常経費になりません(プライベートと区別が困難なため)。
領収書やレシートの裏に、使途をメモ書きしておくことをおすすめします(アフィリエイト作業等)。

サーバー代・ドメイン代

インターネット広告事業は、多くの場合、レンタルサーバーを利用することになり、その利用料が発生することになります。その取得費、運営費などが経費になります。

事業関連セミナー参加費用・事業関連の塾費用

すでに一定の成果を上げている人からレクチャーを受けるために、セミナーや研修費用が発生する場合の費用やアフィリエイト塾の費⽤は研修費として経費になります。

記事等作成のライターへの外注費(クラウドワークスや@SOHOなど)

コンテンツのサムネイルや、各種SNSでのアイコン・ヘッダーなどの制作を依頼した場合の費用は全額経費になります。

コンサルティングサービスの費用

コンテンツ販売やアフィリエイトなどに関して、コンサルティングサービスを受ける場合、その費用も全額経費になります。

仕事用のパソコン代やパソコン関連備品(録画用カメラ、音声作成用マイク)

インターネット広告事業を行うのにパソコンは必須となります。性能の高いパソコンだと10万円を超えるものもあり、一括償却資産または少額減価償却資産(青色申告の場合)の検討をする必要があります。10万円以上の資産を買ったときは基本的に一度に全額を経費にできませんが、減価償却といって、その資産の使用可能期間にわたって分割して必要経費としていきます。

クレジットカード会費

インターネットビジネスを行う場合、還元率のよいクレジットカードを利用することが利益率に影響します。そのため、高いグレードのクレジットカードを契約し、年会費が発生する場合もあります。
事業用のクレジットカードは、事業経費の精算のために作られるため、経費として計上できます。

プラットフォームの販売手数料・売上の振込手数料

注文成約時にのみ課金される手数料です。例えば、Amazonの場合には商品のカテゴリによって異なる料率が適用されます。コンテンツ販売の売上にかかる販売手数料・紹介手数料などは全額経費になります。

プラットフォーマーに支払う手数料・システム利用料

インターネット物販を行う事業者にとって、仕入原価に次いで大きな経費となるものが、プラットフォーマーに支払う手数料です。システム利用料は月額で固定されているものが多く、その費用も全額経費になります。

業務専⽤のパソコンで使⽤するウイルスソフト

パソコンが家族共⽤だと、全額経費は難しいですが、業務専⽤のパソコンで使⽤するウイルスソフト(10万円未満)は100%経費として計上できます。

発送代行・在庫保管手数料

配送や在庫の保管の代行を依頼する場合には、別途手数料がかかります。例えば、AmazonのFBAを利用した場合には、商品の区分や個数に応じて配送代行手数料が、商品サイズと保管日数に応じて在庫保管手数料がかかります。これらの手数料は経費となります。

決済サービスを行う会社に支払う手数料 

特に輸出を行っている事業主の場合、海外における決済の代行と、自分(自社)の口座への移管を依頼する場合には手数料が発生します。海外の決済サービスとしてよく利用されるのが、PayPal、Payoneerです。これらの手数料は経費となります。

ツール購入費用・ツール⽉額課⾦料⾦

大量に商品を販売する場合には、価格改定などを効率よく行うために、業者が販売している各種ツール(自動価格改定ツールなど)を利用することがあります。このようなツール購入費用(10万円未満)やツール月額課金料金は経費になります。

事業関連の電⾞代、タクシー代

せどりで実店舗に商品を仕入れに行く、卸・小売業者との商談に行く、見本市に行くなどの場合の交通費は経費になります。

消耗品費

商品を発送する際に利用する段ボール、ガムテープなどの消耗品費が経費となります。

荷造運賃

商品を客先に発送する場合の荷造運賃が経費となります。

関税

海外から商品を輸入する場合には、関税が発生し、経費となります。関税が確認できる輸入許可書などの書類は大切に保管するようにします。

プライベートと事業で家事按分が必要なもの

「家事按分」とは

光熱費や通信費などの支払い分に自宅用と事業用が含まれている場合、事業で使っている比率を出し、必要経費を計算すること
家事按分される主な経費としては、地代家賃、月極駐車場代、水道光熱費、車両費、通信費などがある

これらの費用については、事業に使用してる部分とプライベートで使用している部分がありますので、「按分計算」をして、事業にのみ使用した金額を計算していきます。

この「按分計算」ですが、実はその方法は法令で決まっているものではありません。
第三者から見て客観的な方法であれば、どのような計算方法でも構わないのです。
YFPクレアでは、使用状況を詳細に伺った上で、例えば次のように経費按分比率にのっとって経費計上をしています。

YFPクレアの経費按分比率

  • 100%経費計上
     全て事業で使用したもの
  •   70%経費計上
     多くを事業で使用したもの(一部個人でも使用)
  •   50%経費計上
     多くを個人で使用したもの(一部事業でも使用)

プライベートと事業で共用する経費については、事業に使用した金額のみが経費となります。
例えば、次のような経費は按分計算が必要になります。

家賃

事務所や倉庫の家賃が経費となります。もし、自分で事務所や倉庫を保有していない場合、自宅で在庫を管理して発送作業を行うため、事業利用分が経費となります。例えば床面積で按分する方法があります。

水道光熱費

事務所や倉庫、自宅(事業利用分)の水道光熱費が経費となります。

ガス代・水道代

アフィリエイトやコンテンツ販売を行うにあたって、ガス代・水道代は通常はオフィスで発⽣することはありませんので、基本的には全額が必要経費にはなりません。ただし、ガス式の暖房を使用している場合などは、そのガス代のうち、事業に使用する部分についてのみを経費とすることができます。

インターネット代・外出先でインターネットを使用するためのポケットWifi代

インターネット物販を行うのに通信環境は必須です。自宅や事務所で契約する通信回線にかかる費用、プロバイダ費用などが経費になります。

車両費

例えば、せどりで実店舗に商品を大量に仕入れに行く場合には、車両を使う場合があります。その際のガソリン代、車両の減価償却費(事業利用分)が経費となります。例えば、走行距離で按分する方法があります。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

今回は経費計上できるものについて書かせていただきました。

次回は「経費にできないもの」について解説いたします。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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税理士法人YFPクレア
税理士法人YFPクレア
創立50周年を迎えた税理士事務所です。
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