みなさんこんにちは、YFPクレア業種特化 不動産業チームです。

前回は「なぜ不動産管理会社を設立するのか?」について説明しました。
今回は「3つの不動産管理会社の種類」について説明したいと思います。

種類は下記の3つです。

  • 管理料徴収方式
  • 転貸方式(サブリース)
  • 不動産所有方式

前回のコラムで解説した「所得税・住民税等の軽減になる」というメリットを活かすことをメインに考え、”所得分散効果”にフォーカスして順番に見ていきましょう。

①管理料徴収方式

こちらは不動産を個人→法人へ移すことはしません。
不動産の所有権は個人のままになりますので、収入は個人に帰属したままになります。

不動産管理会社は物件の管理を行い、対価として「管理手数料収入」を得ます。
賃貸収入は個人帰属になるため、所得分散効果は低い方式になります。

「管理料手数料収入を大きくすれば問題ないのでは?」

と考えられる方もいらっしゃると思いますがそう上手くはいきません。

プロの管理会社に依頼すると、ざっくりした相場ですが家賃の5~10%が管理手数料になります。
そのため、「管理手数料率を30%にしちゃおう!」と言って管理料率を相場よりも高く設定すると、”過大管理料”となってしまって税務署から指摘されるリスクが大幅に増加します。

例). 毎月100万円の賃貸収入が発生する物件の場合
不動産管理会社に帰属する収入は
1,000,000円×5~10%=50,000円~100,000円
となります。

この通り、法人に帰属する収入が低いため所得分散効果が見込めない方式になります。

②転貸方式(サブリース)

続いて転貸方式(サブリース)についてです。
こちらも不動産の所有権自体は個人のままになります。

個人所有の物件を不動産管理会社に一括貸付をします。
その後、不動産管理会社が入居者を募集し、賃料収入を得ます。
図にすると下記のような形です。

例). 借上賃料1,105,000円、転貸賃料1,300,000 円 管理料率15% の場合

個人オーナーのメリットとしては入居者が退去、空室となっても契約上、不動産会社→個人へ決まった家賃が支払われるため、安定した賃料収入が見込めます。

逆に不動産管理会社は空室リスクを負いますので、管理手数料を管理料徴収方式よりも多く設定することができます。
通常は転貸賃料の85-90%程度を借上賃料として設定することが多いです。よって管理料の相場は10%~15%になります。
ただし、借上賃料と転貸賃料の差額が10%~15%を超えると、”適正管理料ではない”とみなされる可能性があります。

例えば
・借上賃料  910,000円
・転貸賃料 1,300,000円
としている場合です。

この場合、管理料率は30%となり、過大管理料として指摘されるリスクが大きくなります。
管理料徴収方式よりは分散効果が高いですが、「5~10%」が「10%~15%」になる位の効果しか望めません

③不動産所有方式

この方式は個人→不動産管理会社へ不動産を所有権移転させます。
(通常は建物だけの場合が多いですが、建物・土地両方の場合もあります。)

よって不動産の所有者は不動産管理会社になり、賃料収入は法人に帰属します。
今まで個人に帰属していた収入が法人に移るため、最も分散効果が高い方式になります。

加えて収入が100%法人のものになるため、①②のような管理料設定の問題も無くなります。

賃料収入が1,000,000円の場合、法人に帰属する収入がそのまま1,000,000円となり、個人に帰属する収入は0円になります。
(建物・土地両方を個人→法人へ移動させた場合。)

まとめ

最後に今回の結論をまとめます。
所得分散効果の面だけを見ると、

①管理料徴収方式<②転貸方式(サブリース)<③不動産所有方式

という順で効果が高くなります。

大まかですが所得分散効果から見た3つの管理方式の違いについてでした。
どの種類の不動産管理会社を設立するか悩んでいる方のご参考になれば幸いです。

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