みなさまこんにちは。税理士法人YFPクレアの村上です。
このコラムでは医療法人についてご説明していきたいと思います。
皆様の今後の経営について、少しでもお役に立てれば幸いです。
これまでのコラムで医療法人についてご説明差し上げてきましたが、今回より数回に分けて法人化することのメリット・デメリットについてお話させていただきたいと思います。
今回は、【税務面でのメリット】についてご説明していきたいと思います。
クリニックを医療法人化した際の税務面でのメリット
1 節税効果がある ※税率が低い
個人の場合、所得税の税率は、所得に応じて5%~45%。住民税などとも合わせると、約55%ほどの税率となります。
一方法人の場合、出資金1億円以下の法人の場合では下記の税率となります。
◆所得800万以下の部分 15%
◆所得800万超の部分 23.2%
上記に法人事業税などを加味しました実効税率(実質的な税金負担率)は30%程度となります。
所得が一定のレベルを超えた場合、法人化したほうがメリットがある形となります。
※国税庁HP「所得税の税率」「法人税の税率」
2 給与所得控除が使える
法人化することを簡単にお伝えすると、勤務医になるようなイメージです。
役員報酬が支払われて給与として所得を得ていくこととなる、サラリーマンのような形です。
所得が給与となりますと、給与所得控除が使えますので、その分節税になります。
給与所得控除とは
給与所得がある人が給与収入から差し引ける経費相当額を考慮したもの
個人事業主の場合は事業所得を計算する際に売上から必要経費を引くことができますが、給与の場合は必要経費の計算ができません。
そこで、給与をもらって働いている人も必要経費相当額として給与所得控除を引くことができます。
控除できる金額につきましては、給与収入に応じて額が変わってきますので、下記国税庁HPをご参照ください。
※国税庁HP:給与所得控除
3 退職金の支払が可能となる
個人での開業医は退職金がありません。
しかし、医療法人となると、法人で蓄えたお金を最終的に退職金という形で受け取ることができます。
さらに、「退職金から控除分を引いて残った額の1/2」に対して課税となるので、低い税率で退職金を受け取ることが可能となります。
※国税庁HP:退職金と税
おわりに
今回は、医療法人化に当たって、いくつかある税務面でのメリットのうちの3点をお話させていただきました。
次回は【事業面でのメリット】につきましてご説明させていただきたいと思います。
税理士法人YFPクレアには法人個人問わず、医業に特化した担当者が多く在籍しておりますので、気になることがありましたらお問い合わせいただけましたら幸いです。
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