コロナ禍の中、世間ではリモートワークを実施されている会社が多かったこの1年かと思います。
コロナは特定の法人にのみ降りかかるものではなく、法人の大小・種類にかかわらず日本中の多くの法人がこの影響を受けました。

先日、公認会計士や監査法人による監査が対象となるような大規模社会福祉法人が多数参加された、公認会計士協会主催の社会福祉法人コンベンションに参加させていただきました。

今回のコンベンションではコロナ禍でのリモートワーク対応の話やリモートワークをして苦労された点、よかったと思う点という話が出ておりました。

その結果、今回参加された比較的人的資源の豊富な大法人であっても、リモートワークに対応した法人はかなり少なく、多くの法人はコロナ禍に入る前と同様に出勤され、利用者や従業員のコロナ対策に対して非常に気を使っていた、というお話が多かったです。
リモートワークを実施した法人の例としてはコロナだから、というよりも複数拠点をもっており地理的に遠いため、元々打ち合わせをオンラインでやっていた、というような理由が多かったです。
やはりそのサービスの特性上、事業所で人の手が必要な業種が多いということであったのかと思います。

今般デジタル化が台頭する世の中であっても社会福祉法人の多くの法人様が今後も従業員のマンパワーを元手にサービスをされるのかと思われます。

そこで今回は社会福祉法人の経営分析から人件費の比率を考えてみます。

人件費比率 全国平均都市部以外都市部
障害者福祉事業のみ63.8%63.8% 64.3%
児童福祉事業のみ 70.9% 73.1%69.4%
老人福祉事業のみ65.8% 66.5%69.4%
複数事業実施67.5%65.6%70.3%
出典 TKC S-BAST統計より

ここで人件費率はサービス活動収益に対する人件費の比率になります。すなわち、売上に対して6割から7割は人件費が計上されている、ということになります。

一般事業会社においてもサービス業における人件費比率は大きいことが多いですが、クリニックであっても平均50%、他業種では小売業などではでは平均20%であることを考えると非常に高い数値であることがわかります。文字通り「人が要」なのです。

このことから社会福祉法人会計において人件費は非常に重要な項目となっています。
法人様に会計報告をする際、たとえば「人件費比率が75%を超えますと損益的にはかなり苦しいです」などとアドバイスさせていただくのは、このような統計があるためです。
ご自身の法人の経営指標として弊社ではTKCのS-BAST(社会福祉法人経営指標)より他社比較情報を用いて経営情報に対するアドバイスをさせていただくことも可能ですので、是非お問い合わせいただければと思います!

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投稿者・投稿者チーム紹介

2部3課 社会福祉法人チーム
2部3課 社会福祉法人チーム
社会福祉法人やNPO法人など、特殊会計チーム。
保育園や介護施設などの会計を得意としています。
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