みなさまこんにちは。税理士法人YFPクレアの村上です。
このコラムでは医療法人についてご説明していきたいと思います。
皆様の今後の経営について、少しでもお役に立てれば幸いです。

前回は【持分のない医療法人】への移行の際の贈与税についてお話させていただきました。
今回はそれに対しましての免税特例についてお話させていただきます。

医療法人への贈与税については、一定の要件を満たせば非課税となりますが、条件が厳しいものでした。
平成29年9月30日までは非課税になるための主な条件は下記の通りでした。

非課税になるための主な条件(~平成29年9月30日)

  1. 医療法人の理事を6人以上、監事2人以上にすること
  2. 医療法人の役員は親族を1/3以上入れないこと
  3. 法人関係者に利益供与しないこと 等

上記の要件で、一番ネックになるのが、2の親族を1/3以上役員にできないことです。
実際の医療法人は親族で役員を締めているケースが多くあります。
その理由としては、「親族であれば経営方針で揉めることが起きにくいから」という点が主です。
一方で、親族経営を続けていると、医療法人の財産を理事長が私的に使ってしまう可能性もあります。

現在親族経営している医療法人が、今後は他人を(それも2/3も)役員として迎え入れなければならず、その新しい理事たちが結託してしまえば創業者の理事長が追い出されてしまうというリスクが出てきます。
そんなリスクを負ってまで贈与税を非課税にしたいと考える人は少ない、というのが現状でした。

そこで厚生労働省は平成29年10月より条件を大幅に緩和しました。

非課税になるための条件(平成29年10月~)

厚生労働省 「持分なし医療法人」への移行促進策(延長・拡充)のご案内(PDF)

ざっくりお伝えしますと、移行計画に認定制度・運営要件を満たせば、持分放棄に伴う法人贈与税は非課税となる措置です。
※運営要件は移行後6年間満たさなければなりません。

この変更による一番の変更点は、以前の要件でネックになっていた「医療法人の役員は親族を1/3以上入れられない」という条件が無くなった点です。
親族で経営していても他の条件を満たせば贈与税が非課税となるのです。

ここまで医療法人についてご説明差し上げてきました。医療法人についてのご理解は深まりましたでしょうか。
次回より数回に分けて、クリニックの個人経営から医療法人へ法人化するメリット・デメリットにつきましてご説明させていただきたいと思います。

税理士法人YFPクレアには法人個人問わず、医業に特化した担当者が多く在籍しておりますので、気になることがありましたらお問い合わせいただけましたら幸いです。

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四谷監査2部1課
四谷監査2部1課医療・社会福祉系チーム
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個人のクリニック、歯科クリニックの税務はもちろん、医療法人や法人設立、開業コンサルティングも行っております。
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